真宗大谷派 円光寺 本文へジャンプ

  犯罪加害者の家族

鈴木伸元『加害者家族』

『息子がなぜ 名古屋五千万円恐喝事件』

木村修治『本当の自分を生きたい―死刑囚木村修治の手記』

林眞須美『死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら』

マイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』

 1 加害者の家族を差別すべきだという暴論

東野圭吾『手紙』の主人公は高3の時、腰痛で働けなくなった兄が仕方なしに窃盗に入り、誤って殺人をしていまいます。そのため、好きな音楽をあきらめ、恋人と別れ、さまざまな苦労を重ねます。
主人公は兄のことを隠して家電量販店に就職したものの、兄が刑務所にいることが知られ、左遷させられます。

量販店の社長は「差別はね、当然なんだよ」と主人公に言います。犯罪を犯した人の家族を差別すべき理由の一つが犯罪の抑止効果だと、社長は説明します。
「我々は君のことを差別しなきゃならないんだ。自分が罪を犯せば家族をも苦しめることになる―すべての犯罪者にそう思い知らせるためにもね」

犯罪を抑止するために、家族に対する差別が必要だというわけです。こんなバカな話はありません。どうして家族まで罰を受けなければいけないのでしょうか。

小説の登場人物の考えではありません。『中央公論』2005年5月号に載った東野圭吾さんへのインタビューを読むと、『手紙』の社長の発言は東野さんの考えを代弁していることがわかります。

「犯罪者はもちろん犯罪者の家族も差別される。差別されたくなければ犯罪に手を染めないことです。そうやって、人権が少し奪われるほど、犯罪はしてはいけないことなんだというルールを知らしめる」

東野さんの考えは、犯罪者やその家族を社会から排除することです。こんなのは全くの暴論です。犯罪者の家族を差別することは犯罪の抑止効果になるどころか、家族を追い詰めることで、逆に犯罪を増やすことになりかねません。

以前、死刑賛成の僧侶に「自分の子供が事件を起こしたらと考えてほしい」と言ったら、「死刑になりたくなかったら悪いことをしなければいい。子供が悪いことをしないようにちゃんと育てればいい」と自信たっぷりに応じられたことがあります。
東野さんやこの坊さんは、「自分の子供がひょっとしたら」ということが頭をよぎることのないのでしょう。ある意味、幸福だと思います。

鈴木伸元『加害者家族』を読んで、加害者家族は大変だという思いを強くしました。というか、ぞっとしました。

 2 加害者家族の苦しみ

宮崎勤死刑囚の父親の自殺を佐木隆三さんは「現実からの逃避」として非難したそうです。

佐世保高1同級生殺害事件の加害者の父親が自殺しましたが、「週刊新潮」(10月16日号)は「娘の更生よりも自死を選んだ佐世保「女子高生バラバラ犯」の父親」という記事を載せています。

「精神を蝕まれた娘とは最後まで対峙せぬまま、「戦い」から降りてしまったのだ」と書き、娘から金属バットで殴られて重傷を負ったことでも、「このときも臭いものにはフタとばかり公にはせず、あろうことかAに一人暮らしを許してしまうのです」という全国紙社会部デスクの言葉を紹介し、「今回もまた娘を〝置き去り〟にしてしまったのだ」と締めくくります。死者を鞭打っているのです。
では、父親はどうすればよかったのでしょうか。

自分たちの報道によって追い詰められたために自殺したのではと、罪の意識は持たないのでしょうか。
加害者の家族に対し謝罪を迫ります。謝罪すれば、「言葉が軽かった」「子供のことを突き放していて、親なのに他人事のようだった」「発言内容は理路整然としていて正しいかもしれないが、申し訳ないという感情が伝わってこない」などと非難します。

宮崎家と交流があった坂本丁治さん(東京新聞記者)は「加害者の家族は、罪を犯した本人以上に苦しむことがあるのだということを、私はこの事件を通じて初めて知った」と語っています。

宮崎勤の姉妹は、長女は仕事を辞め、婚約を自ら破棄、次女は看護学校を退学しました。父親の弟2人は仕事を辞め、下の弟は離婚しています(娘の将来を考えて妻の旧姓にするため)。母方のイトコ2人も勤め先を辞めました(週刊誌の記事のため)。イトコも加害者家族なのです。

 3 加害者家族の置かれる状況

 ① マスコミ
「事件や事故の当事者のところへメディアが殺到し、家や職場を取り囲むなどしてプライバシーを極端に侵害したり、社会生活を妨げたりして、精神的にも物理的にも追い詰めていく」(『加害者家族』)

家族が逮捕されると、まずマスコミが殺到します。
警察から「マスコミはそれなりの報道をするでしょう。家の周りがマスコミで一杯になると思われますので、できるだけ早めに子どもさんを連れて自宅を離れてください」と忠告を受けます。

自宅の周辺には人垣ができ、明々とライトがついてテレビ局の中継車が何台も停まる。新聞やテレビは容疑者の顔写真を手に入れようと、近所や関係者に当たる。時間や都合に関係なく訪れては、インターホンを何度も鳴らし、ドアノブをがちゃがちゃ回し、乱暴にノックする。容疑者の子どもが学校に通っていたら、その学校や生徒に取材する。
これを集団的加熱取材、メディア・スクラムと言います。

 ② いやがらせ
いやがらせの電話、手紙がひっきりなしに来ます。ほとんどが匿名です。加害者が少年の場合は通っていた学校にもいやがらせがあります。

名古屋の中学生による五千万円恐喝事件でも、主犯格とされる少年の家に電話がかかってきます。(『息子がなぜ 名古屋五千万円恐喝事件』)
40代くらいの女性から「今回の(事件の)白石さんですよね。まったくいい加減にしてくださいね。テレビを見たけど、地域、学校に謝ってくださいよ」という電話がかかり、母親が「はい、そうします。どちらさまでしょうか」と答えると、「謝っても許しませんよ」と言って電話は切れたそうです。
他にも「この地域から出ていけ」「極悪非道の息子を生んでへっちゃらでいる」などなど。
母親によると、「女性からの電話が多かったように思います」とのことです。

針金を輪にしたものが家の裏口に大量に置かれていたり、車のボンネットにXと大きく書かれたり、タイヤがナイフのようなもので切り裂かれたりといった嫌がらせもありました。

 ③ インターネット
警察から「インターネットには十分注意してください。自宅の連絡先や、お子さんの名前、通学先など、個人情報が書き込まれることがあります」と忠告があります。
あることないこと書かれるわけですが、中には本当のこともあり、知り合いがこれを書いたのかと疑心暗鬼に陥ります。

2ちゃんねる用語に「スネーク」や「電凸」という言葉があります。
スネーク「特定の団体や個人に関係する場所に出没し、写真を撮ったり情報取材をしたりして掲示板に書き込んでいく人たちのこと。ある個人が住んでいる場所や勤務先を解析し、「スネーク」が現場に乗り込むのだ」

電凸「関係者に電話をかけて抗議をしたり、情報確認をしたりして、結果を掲示板に書き込むこと」

加害者家族やまわりの人の個人情報(自宅の住所、電話番号、家の写真、勤め先など)を暴き、攻撃、糾弾する人たちは、自分は正しいことをしていると思っているのでしょう。しかし、書き込みをする本人は匿名という安全地帯から攻撃するわけですから、何を書こうと自分に火の粉が降りかかる怖れはありません。いじめを楽しんでいるにすぎません。

 ④ 援助者が援助しない
家族が犯罪を犯した時に、手を差し伸べてくれる人はあまりいません。

誰が加害者家族を守るのかというと、まずは弁護士ですが、やる気のない国選弁護人にあたったら話を聞いてもらえません。かといって、私選はお金がかかりますし、裁判が終われば弁護士との関係も終わります。

中学生の息子が同級生から五千万円を恐喝した事件で、弁護士に相談したほうがいいと警察からアドバイスされた父親は、弁護士に連絡します。
4月7日、弁護士から「すぐ(恐喝の)弁済金として五百万円を用意してほしい」と電話がありました。
4月17日、弁護士から「相手(被害者)の弁護士さんはお話のできる人だ。すぐに二千万円を集めてください」と指示されます。
しかし、警察はまだ捜査中で、実際に息子が被害者からいくら取ったのか分からない状態でした。
父親が「先生、ちょっと待ってください。おかしいじゃありませんか。それが本当に立件されて出てきた数字であれば、私は『わかりました』と申し上げますが、まだ捜査中じゃないですか。息子には当然、罰を受けさせます。しかし、とりあえず、きちんと調べたうえ、お支払いしたい」と言うと、弁護士は「そんなことでしたら、私はもう下ろさせてもらいます」と言ったそうです。

殺人と傷害致死では加害者の4割が家族、つまり被害者遺族=加害者家族です。
ところが、被害者遺族=加害者家族の女性が犯罪被害者の団体に連絡をとったが、「会には参加させてもらえなかった」そうです。

加害者の子どもを学校が守ってくれるかというと当てになりません。
父親が事件を起こし、小学校教頭から子供を転校させるようと暗に勧められた母親がいます。

女子大生誘拐殺人事件の木村修治死刑囚の子供は、父親が逮捕された翌日、幼稚園の通園を拒否されました。

麻原彰晃死刑囚の四女は、小学校の担任から「校長先生に呼び出されて、いきなり松本さんの担任になれと言われたからびっくりしたよ。嫌だとも言えないし」と言われました。中学校にあがっても、教育委員会に対していじめ対策を要望しましたが、中学校の校長は弁護士たちが同席にしていたにもかかわらず、「あなたがたのお父さんは、たくさんの人を殺しましたね。あなたが死んでも、しかたがないでしょう」と言っています。

これらの教師や園長は子供にどんなひどいことをしたか、わかっているのでしょうか。教育者として失格です。

親戚や親しい友人も去っていきます。もしくは、迷惑をかけてはいけないので自分から連絡を取らないようにします。
自分の身元が知られては困るので、人と親身につき合えない。そうなると、困り事を相談する相手がいなくなります。

このようにして加害者家族は孤立するのです。

 ⑤ 生活苦
夫が事件を起こしたら、とたんに収入がなくなります。家族も仕事を辞めなければいけない場合があります。
賠償金を払ったり、生活費のために家を売ろうとしても、事件によっては売れなかったり、安く買い叩かれたりします。
こんな状態では被害賠償もできません。

 ⑥ 家族の崩壊
家族がバラバラになることもあります。

林眞須美死刑囚と家族との書簡集『死刑判決は『シルエット・ロマンス』を聴きながら』は題名のいわれがちょっと泣かせます。
林夫妻が逮捕されたのが平成10年10月4日、4人の子供たちは児童養護施設で暮らすことになりました。
平成12年7月15日、ラジオでアナウンサーがこんなリクエスト葉書を読むのを林眞須美は拘置所で聞きます。

「何とも切ないお手紙が届きました。この曲はすぐにかけます。一日も早くかけてあげたくて、7月22日、来週がハッピーバースデーだけれど、今日すぐにかけます。
ママへ。39歳のお誕生日おめでとう。
私たち四人はもう二年もママに会っていません。いつもママは10時から12時までこのラジオを聴いています。今日もきっと聴いているでしょう。
この番組を一番楽しみにしています。ママの大好きな曲、シルエット・ロマンスをリクエストします」

林眞須美の子供たちは施設でイジメ、暴力、差別に遭い、施設を出てからも、母親のことが知られたら仕事はすぐにクビになり、住んでいるところにもいづらくなっています。

 ⑦ 病気
ウツになる人、自殺をした、もしくは考えた人が少なからずいます。
半田保険金殺人事件の長谷川敏彦死刑囚の姉と息子が自殺しています。秋葉原通り魔事件の加藤智大死刑囚の弟も自ら命を絶っています。

畠山鈴香さんの弟が「被害者の家族会はあるけれど、加害者のは、なぜないのかな。みんなどうやって生き長らえているんだろう」と言ったそうですが、もっともな嘆きです。

 4 加害者家族と被害者や被害者家族

私たちの社会は加害者家族だけではなく、被害者や被害者家族にも厳しいのではないでしょうか。
マスコミやネットは被害者のプライバシーを暴きたて、事件とはまったく関係のない私生活を面白おかしく伝えます。

冤罪の人も犯罪被害者ですが、仮に冤罪であることが明らかになっても、一度失った社会的信用や人間関係は元には戻らないし、陰で誹謗中傷する人がいます。

加害者家族の抱える問題と、冤罪被害者、犯罪被害者の問題とは通じるものがあるように思います。

佐藤直樹さんは「いったん逮捕された人間は世間が許さないのだ。世間では理屈が通用しない。世間では人権や権利が通用しない。(略)
加害者家族を追い詰めていく日本社会は、一方で犯罪に巻き込まれた被害者や、その家族も攻撃してきた。
犯罪被害者は、社会から好奇の目で見られることが多い。犯罪に巻き込まれた経験のない人たちからすると、あの家族が被害者になったのは何か理由があったからだという推測が生まれてくる。それが、「被害者の側にも落ち度があったからだ」という論理にすりかわり、非難や偏見をもって接するようになるのだ」と書いています。
どうして日本の社会はこんなに冷たいのでしょうか。

 5 加害者家族への支援

欧米の人は、なぜ日本人は加害者の家族をそんなに責めるのかと驚くそうです。

 ① アメリカにおける加害者家族
トルーマン・カポーティ『冷血』は、クラター一家殺しの加害者に取材したドキュメンタリーです。犯人の母は婦人記者にこう打ち明けています。
「あたしが思っていることをお話しできる人がおりませんのよ。といっても、みなさんが、近所の方やいろんな方が、親切でなかったというのじゃございません。
それに、見ず知らずの人たちもですよ―そういう人たちはお手紙をくださって、あたしがどんなにかつらい思いをしていることだろう、お気のどくにたえません、などといってくださいますの。うちの人にも、あたしにも、ひどいことをいってくる者は誰一人おりませんでした。きっとそんな目にあうだろうと思っていたのに。
こちら(裁判を行っている市)にまいっても、それがなかったんですのよ。こちらでは、みなさんがわざわざあたしどものところに来て、何かとやさしくしてくださいます。
あたしどもが食事をとっている店のウェートレスまでが、パイの上にアイス・クリームをのせてくれて、そのお金を取りませんのよ。やめてちょうだい、食べられませんから、とあたしがいいましてもですね、それでもあの人はそれをのせてくれるんです。あたしにやさしくしてやろうと思ってですね。
その人はシーラという名前なんですが、彼女は、ああいうことになったのは、何もあたしたちの罪ではないといってくれるんですよ」

1998年、アーカンソー州の高校(中学?)で銃乱射事件が起きた際、マスコミは加害少年の実名と写真を報道した。実名が報道されたことで、母親のもとにはアメリカ全土から手紙や電話が殺到した。手紙は段ボール2箱に及ぶ数だった。
だが、その中身は、日本社会の反応とはまったく異なっていた。加害少年の家族を激励するものばかりだったのだ。
TBSの「ニュース23」で放映されたリポートでは、下村健一が少年の母親に、受け取った手紙の内容は何かと訊くと、母親は「全部励ましです」と答えた。
下村は自身のブログで、その手紙の内容をいくつか紹介している。
「いまあなたの息子さんは一番大切なときなのだから、頻繁に面会に行ってあげてね」「その子のケアに気を取られすぎて、つらい思いをしている兄弟への目配りが手薄にならないように」「日曜の教会に集まって、村中であなたたち家族の為に祈っています」等々。
このように鈴木伸元さんは書いています。

もっとも、2人を殺して死刑になった兄や家族のことを書いたマイケル・ギルモア『心臓を貫かれて』には、
「僕は今の仕事(ロックを中心とした音楽評論)に就いているべきではないと考える見知らぬ人々から、手紙が寄せられた。殺人犯の肉親には、若者の注意を引くような記事を書いたりする資格はないと彼らは書いていた。おまえも兄と一緒に撃ち殺されればよかったんだという手紙の何通かあった。」
と書かれていますから、アメリカ社会は加害者の家族に寛容的ばかりではないようです。

 ② 加害者家族に手を差し伸べる人たち
日本にも「罪を憎んで人を憎まず」という言葉があります。
浜井浩一、芹沢一也『犯罪不安社会』によると、「罪を憎んで人を憎まず」とは、「故意のない犯罪は罰しない」という中国のことわざが、江戸時代に「犯した罪は憎んで罰しても、罪を犯した人まで憎んではならない」と日本風にアレンジされたんだそうです。

中学生による五千万円恐喝事件では、加害者家族に手をさしのべる人もいました。
姉「最後に、こんな私たち家族を助けてくれた人たちがいました。名前は出せないけど、私はとっても感謝しています。いろんな人にいろんなことを教わって本当に助けてもらって人生を救ってもらいました。
助けてくれる人たちがいたから、私たちは今生きていられるんだろうと思います。
本当に本当にありがとうございました」

息子が逮捕された翌日の4月6日、友人が「これから大変だろうから、しばらく娘さんを預かろう」と言ってくれ、娘は友人宅に避難したそうです。

母親が勤める病院の院長に事情を伝えて「辞めさせてください」と申し出たら、院長は「(知っているのは)わしひとりだで、気にせんでいい」と引き止めています。
そして、院長は自宅まで差し入れしに来て、「迷惑も全部引き受けるから、仕事を辞めないで。むしろ、仕事はしたほうがいいんだから」と言い、その後も「仕事は辞めるな」とはげまし続けました。

父親の友人から「体大丈夫か。食事したか。今から差し入れしようか」と電話があり、「ここへ来たら大変ですよ」と母親が断ると、「そんなことは俺には関係ないから」と言って、実際に差し入れてくれた人もいます。
親しくつきあっていたわけではない近所の人から、「食べなさい、これ。体を壊したらどうしようもないから」と差し入れがあったそうです。

母親は「こうして、私たちを助けてくださった人たちがいたからこそ、私たちは死なずに済んだのだと思います」と語っています。
こういう人になりたいものだと思いました。

 ③ イギリスでの加害者家族支援
『加害者家族』によると、イギリスには「受刑者とその家族のパートナー(POPS)」という加害者家族を支援する組織があります。

「身内から逮捕者が出ることによって家族は混乱し、崩壊の危機に直面する。その家族を支援することによって、逮捕者が出所するときの受け皿とすることができ、ひいては再犯のリスクを減らすことになる」

「身内が刑務所に入った家族は、その後22%が離婚し、45%が絶縁状態になったとしている。
こうした不安定な環境におかれた子どもは、親と同じように罪を犯しやすいとPOPSは考えている。追い詰められた子どもは、飲酒や薬物、スリなどの犯罪によって、自らの怒りや恥の感情をごまかそうとするのだ。
子どもが犯罪に走るリスクを減らすためには、子どもをサポートする仕組みを作らなければならない」

 ④ 日本の加害者家族支援
日本でも加害者家族の支援をしている団体があります。仙台のNPO法人「ワールド・オープン・ハート」です。

山形県弁護士会でも加害者家族支援を始めました。
山形県弁護士会は10月中に、全国の弁護士会で初めて加害者家族の支援に乗り出す。転居や進学・就職の断念に追い込まれるケースもあることから、相談窓口の設置をはじめ、加害者本人の弁護を通じて家族の生活再建も担う。加害者家族の支援が再犯の抑止につながるとの考え方が根底にあり、他の弁護士会にも同調の動きが広がる可能性がある。」(毎日新聞2018年10月11日
社会が変わってきつつあります。

犯罪や非行を犯した人を地域が受け入れ、立ち直りに協力するという「社会を明るくする運動」のように、犯罪者を排除しないことが本人の更生につながり、結局は安心な社会への一歩になります。
加害者の家族を守ることは社会の利益になるのです。