真宗大谷派 円光寺 本文へジャンプ

  勧誘の仕方

蛇がすごいエネルギーを使って脱皮するのは、いつか足がはえてくるという幻想を信じているから。足がある方が幸せだと思ってる。そういう蛇に足があるように映る鏡を売りつける賢い蛇がいる。借金しても鏡がほしい蛇がいる。 宮部みゆき『火車』

セールス、詐欺、新興宗教の勧誘にご用心。

 人の弱みを攻める

まず必要なのは
・自信に満ちた態度
・スキのない服装
・説得力のある話し方
・広い教養と深い専門知識
そして
・一人暮らしの老人
・教育熱心な母親には無料体験学習を
・子供の友達の親に
「いいことが続くのであなたにも教えてあげようと思って」
「話を聞くだけだから来てみて」
「気に入らなければいつやめてもいいから」
断りにくい相手を選びます

 不安にさせる

・これからは英語がしゃべれないと就職できません
・子どもの多くは授業についていけません
・今は時代が違うんですよ
・このまま放っておけば手遅れになります
・お子さんが心配じゃないんですか

不安感を与え、あせらせ、冷静さを失わせ、考える時間を与えない。

人の弱みにつけこむとは、不幸で弱っている相手の心理状態をさらに揺さぶって、不安定にし、もはやその人を頼るしかないという気持ちにさせるということである。  高橋紳吾『超能力と霊能者』

 共感する

・あなたの悩みはよくわかります
・あなたがご心配なるのは当然です
・ご主人が理解してくれないんですね

こう言ってみましょう
「人間関係に悩んでいませんか」
「家族のことで心配事があるでしょう」
どうしてわかったのかとドキッとします。
でもこういう悩みがない人がいるでしょうか。

 救いの手をさしのべる

・今ならまだ間に合います
・遊びながら自然に英会話が身につくので、子供も楽しんでします
・病気が治った、仕事がうまくいった、家族が仲良くなった

そういう人の体験を写真、名前入りで紹介した新聞、チラシをよく見かけます

 オマケを与える

・今なら入会金は無料
・教材をサービスします
・特別にあなたにだけお送りします

 無価値のものを価値あるように見せかける

お札、お守り、壺、印鑑など
教団内でのランク、役職。教師とか指導補とか
教祖の本もこのたぐいだと言ったら怒られるでしょうか。

 こじつける

健康食品で病気が治った、その真実は?
・他の薬で治った
・そう思っただけ、治った気がしただけ
・たまたま治る時期だった、自然に治った
・本当に効いた(薬だと5%だそうです)

「身内にガンで亡くなった人がいるでしょう」
  3割の人がガンで死にます。

「あなたの家では生き物を飼っているでしょう」
と尋ねます。犬も金魚もライオンもみんな生き物です。飼ってなくても大丈夫。
「いない? ああ、よかったあ」
と言います。

「このままだったらガンになるぞ」
ガンになれば→私の言ったとおりでしょう
ガンにならなければ→私の力です

どのようにも受け取れる言い方をする
誰にでも当てはまることを言う

これが秘訣です。

 同業者の悪口

・公文式はつめこみだからダメ
・チャレンジは受講者が多いのて、きめの細かい指導ができない
・教材を売るのが目的の業者だと、お金が続かなくて途中でやめてしまう

 自画自賛、権威を利用

・会員数は○十万人、○十年の伝統を誇る
・世界何とか教などといった大げさな教団名、壮麗な神殿、盛大な儀式
・各国の勲章、有名人との写真、名誉博士号など

 おだてる

・お宅のお子さんは覚えが早い。素質があります
・さすが
・そう、おっしゃる通りです
お世辞には麻薬のような魅力があり、人をむしばみます

 善意を示す

・うちは金儲けでやっているんじゃありません
・皆さんの手助けをしているんです
・あなたのためを思って言ってるんです

騙されていることに気づかせないのが本当の詐欺です。
そのためには自分も善意でしていると思い込まなければなりません。
嘘をついていると思っていてはいけません。
自分でも嘘を本当だと信じ込めば良心は引っ込みます。
もし良心を感じても平気で耐えられる神経が必要です。

 無理なことを言わない

・お気持ちだけで結構です
・月にわずか○○円です
あまりしつこく何度も金を要求されると、誰でも不信を持ちます。
ということは、ほどほどの要求なら疑いを持たれません。

 結果が出るまで時間がかかる

・すぐに英語がしゃべれるようになるわけではありません
・長年かけて悪くなったんだから治るまでは時間がかかりますよ
だから長期間しなければならないわけです。

 時間や手間がかかると思わせて、あきらめさせる

・とにかくしゃべりまくる、口をはさむすきを与えない
・せっかくここまで頑張ってきたのに、今やめたらすべて無駄になる
・解約には手続きが面倒です
・引き延ばして時間を稼ぐ
・引き際を心得え、しつこくしない

お金が儲かる財布とかいったインチキ商品の値段は、大体2~3万円程度です。
これよりも安かったら信用されないし、高かったら訴えられることがあります。
この程度ならだまされたと思っても、文句を言うのも面倒なのであきらめるそうです。

内容に見合わぬ過大な価格の商品を買わされた消費者は、むしろその商品の擁護につとめるものだという結果が出ている。学会の女性たちは、末端においても幹部クラスにおいても“池田先生”という商品を買い取るために、それぞれ多大な犠牲を払ってしまった。いまさら、それを否定すれば、彼女はまた、元通り、家庭内権力闘争に敗れた家政婦がわりの人間になってしまう。 井田真木子『池田大作 欲望と被虐の中で』

 結論

1 金、金とうるさい宗教
2 しつこく勧誘する宗教
3 教団の大きさ、信者の数や建物の自慢をする宗教
4 願い事が簡単に叶うように言う宗教
5 従わないと脅しめいたことを言う宗教
こうした宗教には眉に唾をつけてみる必要があります。

だまされたと認めることは、自分が愚かだったと認めることになります。
ですからだまされてはいないと思い込みたいのです。
それでいつまでも騙されてしまうのでしょう。

煩悩にはたらきかけて意志の力を奪ったり人の判断力を狂わせてしまうのが魔の手口です。つまり好奇心や興味の煩悩が刺激されることに対する、人の抵抗力の弱さを利用するのです。
一目見たらとりこになって忘れられなくなる、そういう形で魔は現れます。強欲な人には金もうけの話、女好きの人には誘惑の話、受験期の子供を持つ家には塾の勧誘。
いけないと思いながらも、まんまと引っ掛かってしまう。誰でも一つや二つはそういう弱みを持っていると思います。
 藤場俊基『親鸞の教行信証を読み解く』