「生まれ変わり生きがい論」批判 5 |
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カルマの法則 |
『生きがいの創造』の問題点をもう少しあげてみます。 1,生まれる前から未来が決定している 「これらは、すべて生まれる前に計画ずみのこと」 と飯田史彦は言っています。 どういう人生を送るかを自分で選ぶわけですから、生まれる前からどういう人生かが決まってしまっているわけです。つまり未来はほぼ決定していることになります。 たとえば、両親が離婚する、交通事故にあって半身不随になる、親に虐待されて殺されるなど、あらかじめ決まっていることになります。 2,カルマの法則 飯田史彦は、苦難は生まれる前に決めた課題によって遭うばかりではなく、前世で悪いことをした報いとして苦しむことがあると言っています。 たとえば夫を亡くして悲しむ女性は、三千年前マヤ文明の指導者として多くの人をいけにえにしたことの報いとして、夫の死別を悲しんだそうです。 「かつて自分が他人に与えた「死別の悲しみ」という試練を、今度は自分自身が味わうことによって、他人への同情心をつちかう計画を立てていたのである。」 こういうことをまともに信じると、 「私は以前、友人の事業の応援や、連帯保証人になったため、実質二千万円近いお金を失ったことがあります。その時、その人たちを恨む気持ちにはどうしてもなれずに、もしかして前世の因縁によるかも……という思いが、漠然とですが感じられたのです。」 というふうに、いわれのない罪の意識に苦しむことになります。 しかし飯田史彦は、 「彼女に借金という試練を与えた人たちでさえも、感謝の気持ちで許すことができた時、彼女は確かに、成長の階段を一歩のぼったのです。」 などと言うんですから困ったもんです。 もっともカルマの法則を言っている人はすくなくありません。たとえば江原啓之です。櫻井義秀『霊と金』に、江原啓之『日本のオーラ――天国からの視点』の視点を次のようにまとめてあります。 @同性愛者には人を差別してきたカルマが見える。だから差別を受けることでカルマの法則を学ぶのではないか。 Aアメリカの9・11テロも広島の原爆もカルマの法則で捉えられる。奪ってきたものがあるから、奪われる。戦争という形で魂の浄化が果たされる悲劇がある。 B社会貢献や慈善事業はカルマ落としになる。国税も稼いだ人に国がカルマ落としをさせるようなもの。 これも無茶苦茶ですよね。 3,生まれ変わりと死後の世界との矛盾 亡くなった人と会うためには、その人が生まれ変わるまでの間に死なないといけません。 となると、生まれ変わるまでの時間、つまり死後の世界にどのくらいとどまるのかが問題となります。 「最短で十ヵ月、最長で八百年以上、平均で四十年。ただし、肉体にやどらないでいる期間は、過去数百年のあいだに確実縮まってきており、短期間の休養で次々に生まれ変わらなければならなくなっている。 近代では、数年から十数年、二十数年で生まれ変わることが多いようである。」 ということで、死後の世界で再会するためにはなるべく早く死なないといけないのかもしれませんね。 |