<<彼方>>

ある人が言う「幸せ」だと

ある人が問う「幸せ」かと

答えをだせず焦る僕に

僕も同じだと旅人は答えた

風に身を任せ時は過ぎ

ありしの思い出も薄れ消えていく

やがてこの身さえも砂漠の一部で

歴史の奥に葬られる

誇らしげで悲しそうで

語るその瞳だけは優しく

記憶の中を掘り返す 

生を恋うことがあっただろうか

意志を持たないガラクタが

無の世界を歩く貴女を求めてる?

地平線の彼方まで届くように

声を枯らして訴える

ただ未知の自分を探し出す

心まで枯らしてしまう前に