<<砂の雫>>

届きそうで届かない

見つめるだけの関係は

ただ波に揺られる落ち葉にように

行ったり来たりで定まらない

手から落ちた砂の雫が

海辺に空想だけの城を築き上げていく

まるで君にように脆くて

壊しそうで触れられない

ちっちゃくてちっちゃくて

ふわふわで笑顔も可愛くて

触れたらいけない禁止令が

バリアのように君を守ってる

何もかもが僕と違う君は

いつも僕の3歩前を歩いてる

この距離で壁が邪魔になる

一度だけ君と手を繋いで大通りの並木道を

肩を寄せて歩いてみたいんだ

少しの間だけ君のエリアまで

僕を近づけさせてくれないか?

君の体温とそのシャンプ−の香が

僕に移ってしまうまで

壊しちゃいそうな君の身体に

もし僕が触れるのなら

今度は僕が君のバリアになって

守ってみせるから たとえ波が

砂の城を引き寄せてしまっても