<<蒼の蝶>>

蒼く舞う蝶は果てしなく空高く

僕を天へといざなう

今宵 僕は白き翼と

ひきかえに地の心を手渡す

僕は空を自由に舞う翼を

彼は欲望の種を

空高く翼を広げる僕は 

欲望から翼を失った

彼を見下ろし嘲笑う

高く高く 天に近づく

ありし日に欲望のままに

奪った人の奏でる愛の旋律に

耳を傾けることもなく

ただひたすら天を 

いつの日か欲を増殖させた悪魔が

再び奪うとも知らずに

隈無き空を仰ぎ 

そして再び地に墜ちる

翼をなくした哀れさに 

奪った人は旋律より一粒の涙を

彼は肉体の全てを

翼に乗せ 再び空高く舞う

今はただ ひたすら天を求めて

僕の欲望が翼に移り 白く生ずる翼を

蝕み始めているとも気づかずに・・・・・