●パソコン時代


パソコン時代

1979年8月にNECのPC-8001が発売された。ザイログ社のZ-80(8080の改良型のCPU)を積んでいた。これはよく売れた。この頃からマイコンからパソコンと呼ばれるようになった。 1981年8月パソコンの歴史は、急激な変化を迎える。コンピュータ界の巨人IBMがIBM PCと呼ばれたパソコンをひっさげて、パソコン市場に参入してきたのである。

IBMはパソコン市場に参入するに当たり、8ビットCPUではなく16ビットCPU8088を採用する。IBMの発表後数週間で他のメイカーも8086の採用に踏み切るのである。実は発表以前は、次のCPUはモトローラの68000が最有力視されていた。しかしIBMが8088を採用すると判るや否や68000をライセンス生産していた会社までが、8086へと向かうのである。

1982年10月NECは名機PC-9801を出してくる。これは8086を採用した16ビットパソコンである。以後5年間日本国内では16ビットパソコンでは97パーセントのシェアを持つことになる。 アメリカではIBMがIBM PC/XTを出してくる。XTはエクストラの意味である。同じ年1982年インテルは80286(16ビットCPU)を出してくる。このCPUは仮想記憶方式を採用した。このCPUは実記憶番地では16メガバイトまで、仮想記憶方式では1G(ギガ)バイトまで扱える。しかしこのCPUを採用したIBM PC/AT(1984年)でさえ仮想記憶方式はサポートされていない。ハードウェアの進歩にソフトウェアが追いつかないのである。

さらに1985年インテルは32ビットCPUである80386を出してくる。このCPUは実記憶番地は40億番地(4Gバイト)まで、仮想記憶では64兆番地(64T(テラ)バイト)まで扱える。80386を積んだパソコンが1987年4月に出た。仮想記憶方式がサポートされる。しかし80286の水準の物である。

その後1987年4月IBMはPS/2(80386使用)を発表するのである。ついにパソコンも32ビット時代に突入することになる。新しい時代が来てしまったのである。その当時大型コンピュータのCPUも32ビットであった。大型コンピュータが机の上に置かれたのである。

パソコンは10年間で実記憶番地を6万から40億に肥大し、仮想記憶まで考えれば6万から64兆に肥大したのである。

ここまで主にインテル系のCPUに関して述べてきましたが、ここでもう一つの雄であるモトローラについて述べてみたいと思います。1979年に16ビットCPUである68000’81年に68010,68008そして1982年インテルに先駆けて32ビットCPU68020を出してきました。これらはいずれもアップルコンピュータに採用されました。