解決編
今回は、数列{an}が性質1によって完全に規定されている、という話です。
思いがけず長くなりました。
まず、性質1を振り返ります。
この性質を満たすものが、数列{an}しかないということ。
それを証明するのが今回の目的になります。命題として書けば次のとおり。
「ユニーク」というのは数学方言のひとつで、「けったいな」という意味ではありません。
「ただひとつ」ということ。・・・気取ってますね。
突然、数列が{bn}と表されていますが、性質1と見比べれば、aをbに書き換えただけで、
同じ性質であることが分かると思います。
なぜ{an}ではなく{bn}で、この命題を述べるのか少し説明します。
数列{an}がただひとつ(ひととおり)であること。それは定義1からすぐに分かります。
問題2の「最後に残るカードの番号」は、どんな自然数nについても、
そのひとつのnに対しては、ただひとつのはずですね。
しかし、その{an}が “たまたま” 充たす性質1は、他の数列{bn}も充たしているかもしれない。
この命題の述べていることは、その疑いの否定です。
性質1を充たす数列はひとつしかありません。
さらに言えば、もし{bn}が性質1を充たすのなら直ちに、{bn}は{an}であるということになります。
ということは、定理1が証明された暁には、{an}に定義1とは別の定義をすることが可能です。
すなわち「性質1を充たす唯一の数列としての{an}」という定義。
この定義を可能にするところが、定理1のオイシイところなのですが・・・少し、先走りました。
証明の前に、例を見ておきます。
ここは、問題2から離れ、性質1ありきで話をしているので、最後の不安も微妙です。
もし性質1自身が内部矛盾していれば,b18=4という結果は無意味になります。
ところが、どっこい。僕たちは性質1を充たす数列の存在を、すでに知っています。
数列{an}という実在する数列が充たす性質ならば、矛盾しているはずがありません。
というわけで、わざわざ別個に確かめるには及ばないのです。要らぬ心配でした。
例1では、たまたま取り上げたb18が性質1によって決定していることを説明しましたが、
定理1を証明するためには、これを全部のbnについて調べればいいわけです。
僕は例1を確かめた段階で、定理1の成立は当たり前だという感想を持ったのですが、
当たり前らしいことほど、意外と証明に骨が折れるものです。
しかも、証明したところで当たり前だという顔をされたりするので、なかなかやるせない。
それはさておき。
例1ですら、けっこう複雑な見掛けをしているので、すこし工夫しましょう。
複雑な定義に思えますが、一見複雑な定義をするのは、議論を単純にするためです。
それに、見掛けほど複雑というわけでもありません。
試しに、n=18に対して、その{nk(n)}とやらを計算してみます。
式に語らせてしまいました。
妙なカギカッコが紛らわしいですが、整数部分というのは小数点以下を切り捨てるということです。
なんとなく、もったいない感じがしますが、気のせいです。
それよりも、18、9、4、2、1という、数字のならびに注目して下さい。
ここで、ピンと来て頂けると嬉しいけれど、
ピンと来なくったって僕はがっかりしません・・・とにかく、注目! じっと見つめる・・・。
えー、ここだけの話。ヒントは例1です。・・・さて、ピンと来ました?
性質1を読み直してみると、次のとおりです。すなわち・・・
これをさらに、翻訳します。
この視点に立ち、数列{nk(n)}を絡めて例1を振り返ると、
およそ次のようになります。
ここまで来れば、定理1の証明まではあと一歩です。
次の補題を証明すれば、ほとんどおしまい。補題というのは定理を言うための補助定理です。
さっそく証明にかかりましょう。
本当はゼロを自然数に含める流儀もあるのですが、大した問題ではありません。
例2で見たように、nk(n)がゼロになるためには、
1になるところを通過しなければならない、ということです。
仕上げに、定理1の証明を大急ぎでやってしまいます。
定理1って何だったか、すっかり忘れてたりして・・・。大筋は例1’と同じです。
さて、これまでは序章に過ぎませんでした。
いよいよ次回、数列{an}の正体に迫ります! ・・・ホントかなあ。