最終更新日:1999年1月10日
フィルムカメラのパノラマ写真撮影技法 | |
パノラマ写真は撮影時に全て決まると言っても過言ではありません。 | |
フォトレタッチソフトや自動作成ソフトには限界がありまし、修正には膨大な時間がかかります。 | |
良い写真 | 1.色がそろっている |
2.明るさがそろっている | |
3.傾いていない | |
4.歪みがない | |
5.各写真は1/4以上、重なっていること | |
この内で1.色がそろっているが最も重要です。 | |
他の要素の修正やごまかしは比較的簡単ですが、色を完全に合わせるのは不可能です |
撮影機材 | |
○ マニュアル撮影の出来るカメラ | |
(露出を揃えるため) | |
○ 三脚(安物でよいが、水平方向のみの回転が出来る物 ※自由雲台は不可) | |
(水平回転させるためと、スローシャッターでブレを防ぐため) | |
○ ネガタイプのフィルム(リバーサル用は不可) | |
(リバーサルは露出幅が少ないため、360度の明るさ変化に耐えられない) |
撮影方法 | |||||||||
設置
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1.撮影ポイントに人工物(水平な直線)がないことを確認します | ||||||||
直線はつなぎ目で折れ曲がります | |||||||||
2.三脚を立て水平を出します | |||||||||
カメラを取り付け360度ファインダーを覗きながら回して確認します | |||||||||
(この時、カメラも必ず水平にして下さい上下に傾けてはいけません) | |||||||||
撮影
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3.メインになる方向にカメラを向け露出を決定します(または一番暗い方向の露出にします) | ||||||||
必ず同じ露出で全ての方向を撮影します(自動露出は不可) | |||||||||
マニュアル機能のないカメラではこれが出来ません(オートカメラでの対策方法)
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4.露出が決まったらその時の絞りを確認します | |||||||||
普通のレンズならF8〜11以上が無難です | |||||||||
そうでなければ絞りを変更し、その分シャッタースピードを遅くして露出を合わせます
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5.両端が1/4位(以上)重なるように方向を変えて撮影します | |||||||||
この時、山小屋・標識等歪みが目立つ物がある場合はセンターに配置します |
データ化 | (同じ色・明るさになるように注意が必要です) |
× フォトCDは不可 | |
(フォトCD製作段階で勝手に一枚づつ自動調整されてしまいます) | |
△ プリントをフラットベット型スキャナーで取り込む | |
フォトCD同様、同時プリントは使えません (焼き直してもらいます) | |
一連のパノラマ写真は同じ補正値で焼いてもらうように写真屋さんに指示して下さい | |
当然、スキャン時は同じは同じ補正値で取り込むこと | |
○ フィルムスキャナー | |
スキャン時は同じは同じ補正値で取り込むこと | |
この作業を行うとスキャナーの値段の違いがよくわかります (12bit機と8bit機は天地ほどの差がでる) |
合 成 | |
完成した写真データをフォトレタッチソフトに取り込みます | |
各写真を並べて見て下さい | |
上に書いた通りにやっていれば、色や明るさはかなりそろっているはずです |
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ただ並べても継ぎ目の形が合いません(特に広角で撮影した写真は全然合いません) | |
でも心配いりません 一カ所だけ合うところがあります | |
それは同じ歪みになる場所、つまり写真の中心から同じ距離の場所です | |
具体的には、1/4づつ重ねて撮った場合、写真の端から1/8の位置です | |
ただし、カメラを水平にして回転させなかった場合、 | |
山頂から少し下向きに撮ったりすると写真を斜めに置かないと合いません | |
写真を斜めに合成すると地球は丸かった写真になります | |
この合成時にレイヤー機能のないレタッチソフトは大変苦労します | |
各写真を別のレイヤーに置けばそれぞれ別々に色修正や位置変更が出来ますので楽です | |
ただし、メモリーは128MB以上いります(私の場合Photoshop+384MB) |
補足説明(1) | オートカメラでの露出合わせ対策方法 |
シャッター半押しの、フォーカスロックは露出のロックもされると思いますので、 | |
メイン方向でロックし、撮影方向に向けシャッターを切る |
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また、メイン方向でロックし、撮影方向に向けシャッターを切る | |
を繰り返せば同じ露出で360度撮れると思います | |
絞りは変更できませんが、明るい所では当然絞りこまれますので、 | |
出来るだけ快晴時に、撮影します | |