移植を終えて、

はじめに、私の場合、弟がドナーなので、弟に入院してもらって、G−CSF(白血球を増やす薬)を注射して、白血球を3万前後まで増やして、抹消血肝細胞という血液の中にある造血細胞を、人工透析のように、片方の腕から採って、もう片方の腕から血液を戻すというやり方で細胞を集めて、それを移植したのです。腕から採取するので、恐怖心も痛みもほとんどありません。
日本では、まだ実績の少ないやり方なのですが、これから日本でも増えていくみたいです。
でもまだドナーのリスクもはっきりわかっていません。
私の経験では、G−CSFを注射した時に、異常に白血球が増えるので、腰のあたりが少し痛くなったぐらいです。

移植を終えて今思うことは、この先再発という可能性は0ではないのですが、やってよかった、という気持ちとよくまともな体で帰ってこれたなと思います。
ここ何年も移植をしようかどうしようか迷っていたのですが、ある病院のHPにアクセスして、今までの病歴と今後について書いて、メールを送ったところ返事がきて、待てる状態ではないと思います。と書かれていたので、それで本当に心が動きました。
ところが今回の移植は想像を絶する辛さでした。
あと1週間正着するのが遅れていたら、自分の細胞を入れるとこだったのです。
そうなれば、今回の移植は失敗に終わってました。
自分の細胞を入れられても、精神的にも肉体的にも限界にきてたので、今度白血球が上がらないともうだめだ、とあきらめてました。
正着してからも副作用とかGVHDなどに悩まされ、連日、38、39℃の熱や、気だるさでほとんど寝込んでました。
途中に足の裏が痛いにもかかわらず、看護婦に体重測ってとか、血圧も測って、体温も測ってとか、普段はなにげない事なんですが、その時などは、看護婦がうっとうしいとさえ思ったのですが、ハイハイといいながら言われる通り何でもしてました。
その他に、緑色の便が4日ほど出たこともありました。
私は別に気にしてなかったのですが、後で聞くとけっこうやばい状態だったそうです。
口内炎も看護婦が、いままで見たことがないというぐらいできてましたんで、食べるどころか歯磨きもできないし、ジュースなどもぜんぜん飲める状態ではありませんでした。
PHSも使うことができなかったので、ネットにも接続できなかったのですが、日記だけは使命感というか後では書けないと思い、少しでも楽な時を見つけて書いてました。
ネットに接続して、みんなのパワーが欲しいと思ったこともありますが、接続できなくて、治療に専念できたとも思えます。
しかし、ネットに接続した時、たくさんの心配及び、応援のカキコを見た時は本当に嬉しかったです。
でも、この経験と知識、情報は、パソコンを持ってる人にしか伝わらないんですよね。もっとより多くの患者、関係者に移植とはどんなものかを知ってもらいたいです。
もっと楽な報告になると思ってたのですが、反対に恐怖心をいだかせたかもしれませんが、もっと楽に移植をした患者さんもいますので、安心して下さい。
というか、同種の移植をする時には、一応覚悟して臨んで下さい。
もし楽に終われば、こんなもんかで済むし、辛い治療になってもやっぱり、で頑張れると思います。
しかし、辛い時には頑張れるわけないですよね、それでいいんです。
なるようにしかならないんです。医者にまかせるしかないんです。耐えるしかないんです。
わからない事、疑問があれば何でも聞いてみましょう。それと、本とかネットで調べてみてもあらゆる情報が入手できます。
しかし、情報は情報であって、すべて鵜呑みするのではなく、先生と相談した方がいいですよ。
私の場合、治療歴が長かったせいで、成功率が50%にもかかわらず、たいしたGVHDもでずに成功したわけですが、やはり病気になって長かったぶん正着するのは遅かったです。正着するまでに25日かかりました。
みんながみんな成功するわけでもないのですが、今のところやってよかったと思います。
最近思ったのですが、ガンの原因は遺伝からくる、といいます。
ただ、ガンになりやすいという遺伝子が遺伝するだけであって、遺伝するのは父母、祖父母の性格性質などが似て、どうしても家族にガンの人がいると、家族がガンになりやすいという事になるのだと思うのです。
だから、いくら家族にガンになった人がいても、絶対ガンになるとは言いきれないと思います。
何事にも、過労、ストレス、不規則な生活、かたよった食事、睡眠不足、などには気をつけるようにしましょう。まずはよく食べる事、栄養さえ十分に採っていれば変な病気(ガンなど)にはかからないような気がします。
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