血液検査結果の見方

これは某病院の血液検査の基準値と簡単な説明です。血液検査の基準値は各病院によって多少前後しますので、詳しいことは医師にお尋ね下さい。

検査名
基準値
意義
 総ビリルビン  0.2〜1.2 mg/dl  肝臓で作られる胆汁の色素成分で、黄疸の指標となります
 AST(GOT)  8〜40 IU/l  肝臓の酵素で、肝細胞が障害されると血中の増加します
 ALT(GTP)  5〜35 IU/l  肝臓の酵素で、肝細胞が障害されると血中の増加します
 LDH  106〜211 IU/l  肝臓、心臓の障害、癌などで増加します
 ALP  104〜338 IU/l  肝臓(胆汁排泄障害がある時)、骨、腸、腎臓などの異常で増加します
 γ-GTP  0〜70 IU/l  アルコール性肝臓病などで増加します
 Che  203〜460 IU/l  肝臓における蛋白合成能を反映し、肝疾患や栄養状態により増加します
 ZTT  4〜12 U  慢性の肝疾患、膠原病、骨髄の病気などで数値が高くなります
 NH3(アンモニア)  0〜75 μg/dl  強い肝臓の障害で上昇し、意識障害の原因になります
 Amy(アミラーゼ)  43〜116 IU/l  脾臓、唾液線の障害で血中に増加します
 CPK  21〜232 IU/l  心臓、筋肉の障害で血中に増加します
 総蛋白  6.5〜8.2 g/dl  栄養状態や肝臓の状態に関して増減します
 アルブミン  3.5〜5.2 g/dl  総蛋白の大部分を占め、栄養状態を反映、肝臓病、腎臓病などで低下する場合があります
 総コレストロール  120〜220 mg/dl  脂質の代表で、血中の値が高いと動脈硬化が進展しやすくなります
 HDLコレストロール  40〜90 mg/dl  善玉コレストロールと呼ばれているもので、値が低いと動脈硬化になりやすいと言われています
 LDLコレストロール  70〜140 mg/dl  値が高いと動脈硬化が進展しやすいと考えられます
 中性脂肪  50〜150 mg/dl  値が高いと動脈硬化性疾患の原因になります
 UN(尿素窒素)  8〜20 mg/dl  腎臓の機能の悪化、脱水等で数値が上がります
 Cr(クレアチニン)  0.4〜1.2 mg/dl  腎臓の機能が悪くなると数値が上がります
 Na(ナトリウム)  136〜146 mEq/l  代表的な電解質で、酸塩基平衝や浸透圧維持に重要。脱水、体液の増加、ホルモン異常等で増加します
 CI(クロール)  98〜108 mEq/l  代表的な電解質で、酸塩基平衝や浸透圧維持に重要。ほぼNaと同等に増加します
 K(カリウム  3.6〜5.0 mEq/i  血中の重要な電解質で、腎障害や溶血で増加、摂取不良やホルモン異常で低下します
 尿酸  男 2.5〜7 女 1.5〜6 mEq/i  プリン体の最終産物で、高いと通風や尿路結石の原因になります
 BS(血糖)  70〜110 mg/dl(空腹時)  血液中の糖質の量で、高いと糖尿病が考えられます
 グリコ HbAIC  4,2〜5.8%  過去1ヶ月間の血糖コントロールの状態を反映し、数値が高いほど血糖の状態は不良です
 血沈(1時間値)  男 2〜10 女 3〜15  赤沈棒に血液を入れて、血球成分が沈んでできた上清の量で、炎症や貧血等で亢進します
 CRP(定性)  (ー)  組織の崩壊や炎症があると血中に増加する蛋白で、その量の炎症等の程度が推定できます
 ヘモグロビン  男 13〜18女 11〜16 g/dl  赤血球の色素で、酸素を運びます。少ないと貧血です
 ヘマトクリット値  男 37〜52 女 32〜48%  血液中の全血球成分の割合で、少ないと貧血です
 赤血球数  男 440〜550万 女 360〜500万  赤血球は体内に酸素を運搬する働きをしています。少ないと貧血、多ければ多血症が疑われます
 白血球数  3800〜8500  細菌感染炎症等で増加します
 血小板数  16〜41万  止血の働くをする血球で、大きく減少すると血液が止まりにくくなります
 血液像    顕微鏡にて、血球成分の形態を視察したもの。白血球については、その種類と比率を計算します。例えば、好中球が増加していれば、細菌感染、好酸球が増加していればアレルギー等が考えられます
 PT-INR  0.85〜1.2  ワーファリン治療の効果判定に用います。数値が大きいほど血液が凝固しにくい状態です
 BNP  20pg/ml 未満  心室で産生されるホルモンで、心臓に疾患がある時や心臓の機能が低下した時、増加します
 HBs 抗原  (ー)  B型肝炎ウイルスの表面抗原で、(+)の時、体内にB型肝炎ウイルスが存在することを意味する
 HCV 抗体  (ー)  C型肝炎ウイルスに対する抗体で、(+)の時体内にC型肝炎ウイルスが存在する可能性があります
 PA(PSA)  3.0ng/ml未満  前立腺癌の腫瘍マーカーで、高値の時は前立腺癌が疑われます
 尿 蛋白  (ー)  持続して(+)の場合、腎臓の疾患が疑われます
 尿 糖  (ー)  (+)の場合、糖尿病が疑われます
 尿 潜血  (ー)  (+)の場合、尿に混じっていることを意味し、膀胱、腎臓等に疾患が存在することがあります
 尿ウロビリノーゲン  (±)  (+)の場合、肝臓疾患の可能性があります
 尿 沈査    顕微鏡にて、尿中の細胞成分を観察したもの。赤血球が出ていれば、尿路の出血を、白血球が出ていれば、感染症、炎症が考えられ、円柱は腎臓疾患の可能性を示唆することがあります
 便 ヒト Hb(定性)  (ー)  (+)の場合、便に血が混じっていることを示し、大腸の疾患の可能性があります