アサギマダラ Parantica sita niphonica (Moore)






 長距離移動をする蝶で、春は南から北に、秋は北から南に移動します。広島では秋に滋賀・長野でマーキングされた個体が確認されています。秋にはヒヨドリバナなどでよく吸蜜するため、庭にヒヨドリバナを植えていると集まってきます。アサギマダラは体に毒分を持つ毒蝶でもあります。そのため、ただ蜜を吸っているだけではなく、ヒヨドリバナが持つ毒分を吸収しているようで、枯れたヒヨドリバナにも集まって茎を吸っていることがあります。
 秋、鷹の渡りを観察していると、よく移動しているアサギマダラを見ることがあります。移動ルートはサシバと同様で、南西諸島から台湾方面です(サシバは東南アジアまで移動しますが)。
 それではなぜアサギマダラは移動するのでしょうか。猛禽のサシバは昆虫やカエルなどが主食で、冬場になると日本本土では餌となる昆虫などが姿を消すため、餌がある南に移動します。アサギマダラは本土でも幼虫で越冬することが観察されていますが、本来は南方系の種で、確実な越冬能力を持っていないようです。春には分布を広げるために北に移動し、秋には冬場の繁殖のために南に移動するのでしょう。ウスバキトンボなどが毎年分布を北に広げながら、冬になると南に移動することなく、その場で死滅するのとは一線を画しています。


     [分 布]  北海道,本州,四国,九州,南西諸島

     [大きさ]  43〜67o

     [時 期]  5〜10月(年3〜4回)

     [食餌植物]  キジョラン,ガガイモ

     [越冬形態]  主に幼虫