モンシロチョウ Arotogeia rapae crucivora (Boisduval)



広島県山県郡芸北町八幡湿原 2000年6月24日


[分 布]
 日本全土

[大きさ]
 23〜30o

[時 期]
 2〜12月(年5〜6回)

[食餌植物]
 キャベツ,ダイコン,イヌガラシほか│

[越冬形態]
 蛹(稀に幼虫)

【種の概要】
モンシロチョウはユーラシア大陸北部を中心に分布していたが,有史以来の耕作地の拡大に伴って分布域を拡大し,人為的に北米大陸やニュージーランド,オーストラリア,ハワイなどに侵入している。日本列島においては全土に広く分布するが,農耕文化とともにアジア大陸から渡来したと考えることもできる。南西諸島には1900年代になってから進入した。いくつかの亜種が記載されいるが,複雑な分布拡大を考慮して,遺伝子の解析をくわえた種全体の再検討が必要である。各地で野菜作物の害虫として駆除の対象となっている。
 季節型があり,夏型は春型に比べてやや大型で,黒色部が発達する。雌は雄に比べて翅表が淡い灰色を帯び,黒色部の発達がよい。雌の翅は紫外線を反射するため,雄は雌の翅の紫外色と黄色の混合色を手がかりにして,雌を探すといわれている。
 おもにキャベツ畑などの耕作地周辺に好んで生息し,成虫はゆるやかに飛翔して,各種の花,とくに黄色系や紫色系の花に好んで集まり,赤色系の花は好まない。雌は食餌植物の葉表に止まり,腹部を強く曲げて葉裏に1個ずつ卵を産み付けるが,花穂や葉表に産卵する場合もある。

【広島県の現状】
 中国山地から吉備高原,瀬戸内海沿岸部,島嶼部に広く分布するが,本種は耕作地との結びつきが強く,中国山地の高標高地などでは稀に吹き上げの個体が見つかる程度である。
形態面では,他地域との差異はみられない。
 温暖な呉市では2月には第1化の成虫が見られ,その後は連続的に発生し,12月になっても羽化直後の成虫をみることもある。吉和村では第1化は4月上旬〜5月,第2化は6月,第3化以降は連続的で降雪時前まで見られることから,年5化程度と推定されている。