フタスジサナエ Trigomphus interruptus (Selys)


        

交尾中のカップル
2000年5月10日 広島県豊田郡安浦町女子畑


 
日本特産種で、静岡以西の本州と四国、九州に分布している。しかし分布は一様ではなく、山陰地方や九州では大きな空白地帯がある。平地や台地にある浅い池沼や水田など、止水域に生息する種である。広島県南部では4月下旬頃から発生し、池の縁で羽化した個体は飛び立って近くの森に入り込み、未熟の期間はこの森の中で過ごす。県内では中国山地を含め、全域に広く分布しているが、分布域の中心は中・南部のため池である。
 一見するとオグマサナエやタベサナエによく似ているが、胸部側面の黒条が2本あるため、ここを確認すると容易に識別できる。また雌は第9腹節が長いことも特徴のひとつである。ダビドサナエにも似ているが、雄の尾部付属器の形状や雌の腹部側面の斑紋などから、区別することができる。
 広島県南部のため池に分布するサナエトンボは、まず本種であると考えてもいいと思う。安浦町や川尻町のため池でも生息を確認しており、もしかしたら瀬戸内の島でも生息を確認できるかもしれない。中国地方のコサナエとフタスジサナエは補完しあう関係といわれ、山陽にはフタスジサナエが分布し、山陰にはコサナエが分布している。芸北町などの中国山地ではコサナエが少ないながら分布しており、フタスジサナエの北限がどのあたりなのかはよくわかっていない。