ホソミオツネントンボ Indolestes peregrinus (Ris)
           
    
越冬後(成熟個体)                            越冬前(未成熟個体)
広島県東広島市西条町福本 2000年6月24日           広島県佐伯郡大野町2000年11月5日


 成虫の時期   ほぼ周年
 生息地   平地や低山地の池,沼,湿地
 分布   北海道(中部)〜奄美大島
 広島県の分布    全域に広く分布
 大きさ   34〜41o
 特徴   越冬後は雄は美しい青色,
  雌は緑がかった青色
 越冬形態   幼虫 
 産卵形態   雄雌が連結し,挺水植物や水辺の植物の 
  組織内に産卵する。


 成虫越冬するトンボは本種を含めて3種で,すべてよく似たイトトンボである。一見野外では同定が難しそうであるが,本種とホソミイトトンボはとまるときに,枝に対して垂直になるようにとまり,残りの1種・オツネントンボは枝に対してピッタリとひっつくように平行にとまる。また本種はホソミイトトンボに比べて,一回り大型である。こうした点を踏まえると,秋から冬にかけて,野外でイトトンボを見つけたときでも,一見してある程度同定できる。なお,越冬後は本種とホソミイトトンボが青く色づくのに対して,オツネントンボはやや褐色味が強くなるだけで,青く色づくことはない。
 池や沼,湿地など幅広い水辺に生息し,気をつけているといたるところで本種を見ることができる。広島県では島嶼部から中国山地にかけて,全域に広く分布している。
 晩秋や初冬に全く水辺のない山道などを歩いていると,日溜まりに本種がとまっていることがあり,越冬時には広範囲に移動しているものと思われる。越冬後も長い間生き続け,7月頃まで生き残りの個体を見ることがあり,この時期には春に産卵したものが成虫になる時期に重なることから,同時期に2世代を見ることができる。