コオニヤンマ Sieboldius albardae Selys


広島県安芸郡熊野町呉地 2000年8月10日



 中国、朝鮮半島、日本に分布し、国内では北海道、本州、四国、九州に広く生息する。県内でも中国山地から沿岸部にかけて広く生息し、宮島でも多くの記録がある。今後調査が進めば、河川環境の良好な他の島嶼部でも記録されるであろう。
 本種はサナエトンボ科に属するが、体長85mm前後もある大型種で、一見するとオニヤンマのようでもある。頭は体に比べて小さく、後頭部に一対の突起がある。また獲物を確実に捕まえるため後肢が非常に長く、この特徴で他種と容易に区別することができる。
 5月末から6月にかけて、呉市郷原支所前の黒瀬川では多数の本種が羽化している。朝方、川の中に生える水際のススキなど見ていくと、羽化している個体を易に観察できる。羽化後しばらくして、川の上を一気に飛んで近くに林の中に飛び込んでいく。ところがこの瞬間を待っていたかのように、セグロセキレイやハクセキレイが空中で本種を捕獲する。よく見ていると、羽化した個体の多くが、羽化後の最初のフライトで野鳥に捕獲されている。