コサナエ Trigomphus melampus (Selys)


広島県山県郡芸北町八幡湿原 2001年5月20日



 日本特産種で、北海道から本州の西部にかけて分布する。北海道と東北地方では広域的に生息する普通種であるが、西南日本では標高の高いに限定される。池沼や湿地やそこを流れる溝川などに生息する。県内では中国山地に限って分布し、記録上の南限は三次市付近である。
 胸部側面の黒条は頭部側の1本が途中で切れて、腹部側の黒条のみが上に達する、いわゆるヒトスジ型である。同属のタベサナエやオグマサナエに似ているため、同定には注意が必要である。
 筆者が広島県内で確実にコサナエを観察できたのは、芸北町八幡湿原のみである。ここではタベサナエ・ヒロシマサナエと混生している。最初に観察したとき、やや色合いの異なるきわめて敏感なタベサナエがいるなと思い、よく観察すると本種であった。ほとんど近づくことができず、非常に写真が撮りづらい種である。どの種にも当てはまることであるが、やはり個体数が少ない産地では個々の個体は敏感になるようだ。