ミヤマカワトンボ Calopteryx cornelia Selys


広島県比婆郡東城町上帝釈 2000年5月19日


 渓流域に生息する大型のカワトンボ,独特の赤褐色の翅を持つ種で,他に似た種がいないために同定も容易である。成虫,幼虫ともに,カワトンボのとしては世界屈指の大きさである。
 山地の渓流に生息し,初夏から夏にかけての渓流沿いでは普通に観察できるが,ひとつの生息地における個体数はそれほど多くない。大型種であり,なわばりの範囲も広いため,ひとつの狭い渓流部に生息できる個体数は限られているのであろう。雌は植物組織に卵を産みつけるが,時に潜水して産卵することでも知られている。もちろん植物組織に産卵することから,渓流沿いに植物の多い環境が好まれる。
 広島県では全域に広く分布する普通種で,ほとんどの渓流では初夏はニシカワトンボ,夏にはミヤマカワトンボが優占種である。