オオイトトンボ Cercion sieboldii (Selys)



広島県山県郡芸北町八幡湿原 2000年6月24日

 成虫の時期   4〜10月
 生息地   水草の生えた池や湿地,ゆるやかな流れ 
 分布   北海道,本州,四国,九州
 広島県の分布    全域に広く分布
 大きさ   31〜38o
 特徴   翅胸の黒色条の中に斑紋がない
 越冬形態   幼虫 
 産卵形態   雄と雌が連結して,水面付近の植物の組織内に 
  産卵する

 クロイトトンボを除くCercion属3種の中では,最も広範囲に生息する種である。同定のポイントは頭部後部の青斑で楕円形をしてつながっていること,また肩縫線の黒条の中に淡色部がないことである。
 クロイトトンボを除くCercion属3種は基本的な棲み分けをしているようで,同じ池沼に生息することは稀である。個人的な印象としては,(広島県内では)河川の限られた場所にセスジイトトンボ,沿岸部を中心とした主に汽水域の池や水路にムスジイトトンボ,その他にオオイトトンボといった感じを持っている。ただ,太田川中流域にあたる広島市安佐南区のせせらぎ河川公園でも本種を観察したことがあり,オオイトトンボもある程度は河川に生息しているようだ。どうも筆者自身,オオイトトンボが好む環境というのが,今ひとつよく分からないでいる。
 なお,オオイトトンボの多産地はなんといっても山県郡芸北町八幡湿原で,ここではおびただしい数の本種を観察することができる。