タイワンウチワヤンマ Ictinogomphus pertinax (Selys)


広島県豊田郡安浦町女子畑 2000年8月13日
 


 南方系の種で、本州中部から九州・南西諸島にかけて分布している。県内では1980年代になって新たに記録された種であり、島嶼部や沿岸部に分布し、現在も分布域を拡大中である。平地の池や沼に生息し、7月頃から姿を見せる。
 本種は腹部第8節のウチワ状に広がった部分に、黄色い斑紋がなく黒一色であることで、ウチワヤンマと区別できる。またウチワ状の部分も、本種の方がやや小さい。
 最近、本種は県南部のため池で勢力を広げている。かつては向島など島嶼部のため池などで生息が確認されたが、近年では沿岸部に加え、東広島市などの賀茂台地にも分布域も拡大している。近年、海水温の上昇により、沿岸部の平均気温が著しく上昇しているのに対し、内陸部では目立った上昇が見られない。そのため、分布域の拡大は沿岸部に沿って北上していくと予想している。今後、本種がどのように分布域を拡大していくのかを大いに注目している。