紙おむつの考察


先日
赤ちゃんの紙おむつの買い物を頼まれたので
薬局へ行ってみた
いつも行く薬局だが
紙おむつには最近は縁がないので
そちらのコーナーに行くこともない

一緒についていった娘が
「まさか私のだと思われないよね?!」と言う
何とまあ思いがけないことを心配するものだと驚く(苦笑)

14年余り前
息子が生まれた頃は
まだ赤ちゃんには布オムツを使うのが主流だった
この洗濯が毎日大変で
それでも
洗濯機がなかった時代の人からは
ずいぶんと恵まれていると言われたものだが
そうとも思えず
使い捨ての紙おむつばっかり使えたらいいなぁ〜
と憧れていた

紙おむつは通常お出かけ用で
一枚の値段を計算すると
そんなにぽんぽん使えるものではなかったのだ

それが
2年半後の娘の時代になると
紙おむつの安売りがどんどん出てきて
その頃は介護と育児がごっちゃの時代だったから
布オムツを洗濯する余裕がなくて
新聞のチラシを見ては
紙おむつの安売りに走ったものだ

その後
非常に感動したのが
パンツタイプの紙おむつの登場
その頃はもう娘はおむつがとれそうな時期だったが
それでも旅行のときなど
それはそれは重宝だった

息子は非常に手のかかる赤ちゃんで
逃げ回るのをつかまえておむつをあてるのは本当に大変だった
あの時このはかせるおむつがあったら
どんなにかストレスが少なくてすんだだろう

紙おむつの開発は
女性の衛生用品の開発とつながっているらしい
女性用のものにまず新しい試みがなされ
それが赤ちゃん用紙おむつに応用され
最後に大人用に適用される

赤ちゃん用のパンツタイプおむつが出たとき
わたしはこれの大人用がないものかと
ずいぶん探し回った
あちこち電話し通販も調べたが
どこにもなかった

これさえあれば
本人も介護者もどんなにか助かる
きっと多くの人の声があったのだろう
それから数年後に
望んだ商品が登場した
その前の不自由さを知っているだけに
新製品の登場は非常に有難かった

久しぶりに買った赤ちゃん用紙おむつは
パンツタイプで48枚入って1280円
計算すると1枚約26円になる
10年前に紙おむつが幾らしていたのか
今はもうぜんぜん覚えていないのだが
もっと高かったように思う

わたしの祖母がまだ元気だった頃
姑の介護をしていた時代の苦労話をよくしていた
当然おむつは布だし
便利なものも何もない時代
その話を聞いては
わたしはまだまだマシなんだねぇと思ったものだ

大人用の布おむつを洗濯するなんて
想像するだけで大変すぎる
脱水機もないから手で絞るわけで
なかなか乾かない
いや
なんと言っても手で洗うのがいやだ
わたしは昔に生まれなくて良かった

育児用品も介護用品も
それはそれは便利なものができて
負担はずいぶん軽くなっているはずなのだが
なぜか精神的な負担は変わらない

一度便利さに慣れてしまうと
もう元には戻れないので
便利なものも当たり前になってしまう

子どもの頃ご飯を残すと
「戦時中は云々・・」
というお説教が待っていた
どんなにうるさく聞かされても
何しろその時代をリアルタイムで経験していないのだから
いま自分が生きている時代が当たり前で
昔を受け入れるのは難しかった

だから
大人の布おむつの時代は
どうしても実感がわかないのだが
せめて自分が実際に体験した
紙おむつ発展途上時代のこと位は時々思い出して
今は本当に良い時代なのだと思いたい





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