日の出前の風景


今年に入って
無農薬栽培の試みをはじめて以来
さまざまな本を図書館で借りてきては読み
あらゆるサイトで情報を収集しながら
自分でも色々実験を続けている

ついに部屋の中にまで肥料を持ち込み
カビを発生させて発酵の手助けをしている
毎日ふたを開けては
「生えてきた〜♪」
と喜ぶ奇妙な日々、、、

わたしにとっては
ちょうど牛乳に乳酸菌を入れて発酵させて
自家製ヨーグルトを作るような感覚なのだが
いかんせん肥料だから
どうも匂いがよろしくない
今作っているものには魚粉も入っているので
どうにもかつお節臭くて
猫が寄ってきそうだ
同時に
同じ場所では
「こうじ菌」「納豆菌」「乳酸菌」を培養しているので
もう色んな匂いがミックスされて
その上
香りに誘われたのかコバエまで集まってきて
かなりひんしゅくものの状態になっている

さて
肥料作りと平行して今熱心に研究しているのが
植物の病害虫に利く天然の薬剤作り
かなりの効果があるとされるものが今すでに市販されており
それらを買ってくればいいことなのだが
こういうものは非常に高価だ
わたしは自分の決めた範囲を超えるものは決して購入しない
どうしても欲しい場合は
なんとか代替品を作れないものかと考える

で、今回すごいものを発見した
韓国の自然農法による『天恵緑汁』
名前を聞いただけでなんだかとても利きそうな気がする(笑)
材料はよもぎの新芽と黒砂糖のみ
それも日の出前の一番養分が葉先に集中しているところを摘む

本日の日の出は5時48分
まだ暗い中
5時20分に家を出発して
目をつけておいた場所へと急ぐ

街灯をたよりに穂先を摘み取りながら
ここら辺は犬の散歩をさせている人も多いから
おしっこがかかってるかもしれないなぁ〜
と思いつつも
まあ食べるわけではないし
(実は健康ドリンクにもなるらしいが(苦笑)
でもこんなこと熱心にやってて
人から見たらバカみたいだろうな・・
いやそれよりも
今のご時世不審者にも注意しなければ
よもぎのために危険な目には会いたくないし
もし万が一の時は
やはり「よもぎ餅」を作るためによもぎ摘みをしていた
というのが無難だろうか、、、
など
頭の中に色んな思いが巡る

明るくなってくると
ウォーキングの人がやってくる
夜、うちの前を2、3人で歩いている人は
たいていおしゃべりしながら歩いているだけのようだが
さすがにこの時間に来る人は
腕のふり方からして違う
これなら効果もあがるだろう

車も時々通り始めた
もう日の出の時刻
穂先だけ摘むというのは意外と手間がかかる
当初は欲張ってスーパーのビニール袋を3枚も持っていったのに
まだ1枚目も一杯にならない
急いでもう少しだけ摘む

一心不乱に摘んでいたら
人のよさそうなおじいさんが
「よもぎ?」とニコニコしながら聞く
もちろん笑顔で「はい」と答えておいたから
きっと”よもぎ餅”と思ってくれただろう

一応袋いっぱいになったので
よっこいしょと腰をあげた
ふと見上げるとそこは満開の桜の下
来た時はまだ暗くて
桜が咲いているのもわからなかった
早朝の桜はまた美しい

早く帰って朝食の支度をしないと・・・
家路を急ぎながら
ふと”よもぎ餅”じゃなくて”よもぎ石けん”を作ろうかなと考えた
よもぎはアトピーに効くらしい
以前娘のために購入したことがあるが
多分2000円くらいはしたと記憶している
自作すれば100円でできるのに
そう思うとなんだか悔しい(笑)

よし
もう一度よもぎ摘みに行くとしよう
お花見もかねて
今度はハナミズキが咲く頃がいいかしら






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