浮き世の風


今朝
台風のため避難させていたバラ鉢を運ぶ時
不覚にも
玄関の階段から鉢を抱えたまま転げ落ちてしまった
幸い鉢はプラスティックだったので割れずにすんだが
足を強打し、バラの苗も鉢から転がり出た、、、
しかし
足とバラの無事を確認する前にまずは辺りを見回す
何しろすごい格好で転んでしまったのだから・・(汗

ここは駅前通り
朝早くても通勤通学の人たちが通るところだが
ちょうどその時は誰もいなかった
それをまず確認し
ほっとしてから次にバラを見る
この苗はすでにいくつか花が咲いてピークを過ぎたところで
まだ蕾は2つあってそのうちひとつが折れていた
まあいいか・・・そのうちまた芽が出るでしょ
次にズボンのすそをめくってみると
打ち付けたところがすりむけて腫れていた
まあいいか・・・血が出なかったことだし、、

お庭を見てみると
前回の台風で
折れずに残った方のサルスベリの樹が強風で傾いていたのが
今回は逆の方向から風が吹いたため
まっすぐに立ち直っている
あらら、これはよかった♪

都合の良い風悪い風
運が向いてきた時には
「良い風が吹いてきた」といい
反対に不運な時には
「風向きが悪い」という
世間には色んな風が吹いていて
そこで笑う人と泣く人がいる

昔から
『風が吹くと桶屋がもうかる』と聞くのだが
これがどういうことなのか
いつもふと思い出しては何のことだろう?と疑問に思っていた
そこで
今回の台風を機会に
”風と桶屋の関係”を調べてみると・・・

風が吹くと目に砂ほこりが入り失明する人が出る

失明した人は三味線を弾くので三味線が売れる

三味線がたくさん必要になると材料の猫が乱獲されていなくなる

天敵の猫がいなくなるとねずみが増える

ねずみが増えると桶がかじられる

桶がたくさん売れて桶屋はもうかる

・・・と、まあ
なんだかかなり無理のある話だった。。

要するに
『何か事が起こると、めぐりめぐって意外なところに影響が及ぶことの例え』らしいが
この話は良く言えば
悪い事がある一方できっと良い事もあるという希望にもつながるし
あるいは
人の不幸で幸せになる人もいるという
悲しい矛盾を示した話でもある
そう
やはり世の中昔から色んな風で笑う人と泣く人がいる

うんざりする猛暑に笑うのはエアコンが売れる家電メーカーだが
もし暖冬となると
たちまち暖房器具が売れなくて困る
しかし
暖冬はわたしのような超寒がりにはとても嬉しい
となると
わたしと家電メーカーは相反する風を受けているようだ

お互い
ある時は風に乗り
ある時はじっと風が通り過ぎるのを待つ
タイミングがずれると風に乗り遅れ
焦ると失敗する
浮き世の風はみんなに平等に吹いているが
その受け止め方によって明暗は分かれる

あのままでは倒れるかもしれないと心配していたサルスベリ
それが
思わぬ逆風で見事に立ち直った
その様子を見ていると
なんだかこちらにも良い風が吹いてきそうな
ちょっと嬉しい気分になるのだった




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