今週のみことば


5月30日

「十字架にかけられた犯罪人のひとりが
『あなたはキリストではないか
それなら、自分を救い、またわれわれも救ってみよ』
と、イエスに悪口を言いつづけた
もうひとりは、それをたしなめて言った
『おまえは同じ刑を受けていながら、神を恐れないのか
お互いは自分のやった事のむくいを受けているのだから
こうなったのは当然だ
しかし、このかたは何も悪いことをしたのではない』
そして言った
『イエスよ、あなたが御国の権威をもっておいでになる時には
わたしを思い出してください』
イエスは言われた
『よく言っておくが、あなたはきょう、わたしと一緒にパラダイスにいるであろう』」
(ルカによる福音書24章39-43節)


イエスが十字架にかけられる際
その両隣には罪人が同様に十字架にかけられていました
そこで、ひとりの罪人はイエスに悪口を言いましたが
もうひとりはそれをたしなめ、自分の罪を認めて
イエスに救いを乞います

こうして、同じ罪人でありながら
後者は天国への道が開かれていくわけですが
ここでは、自分の罪をきちんとわきまえて
神の前に己を低くしていく姿勢の重要性を教えられます

天国とは死んでから行くところではなく
今この時点で目が開かれれば
わたしたちの目の前に天国はあるものです
その天国の喜びや平安を味わうことのできない人とは
前者の罪人のように
自分のやっている諸々の間違い(罪)を棚に上げ
上手くいかないことを他人や神さまのせいにする人であり
悔い改めに程遠く
どんなに恵まれた環境にあったとしても
そこに喜びも感謝も見出せない人です

二人の罪人は共にイエスの隣に居ながら
つまり、天国へ行くチャンスも同様に持ちながら
その心の問題によって道は分かれていったのでした

「そこで、わたしは主にあっておごそかに勧める
あなたがたは今後
異邦人がむなしい心で歩いているように歩いてはならない
彼らの知力は暗くなり
その内なる無知と心の硬化とにより
神のいのちから遠く離れ
自ら無感覚になって、ほしいままにあらゆる不潔な行いをして
放縦に身をゆだねている
しかし、あなたがたはそのようにキリストに学んだのではなかった
あなたがたは確かに彼に聞き、彼にあって教えられて
イエスにある真理をそのまま学んだはずである
すなわち、あなたがたは
以前の生活に属する、情欲に迷って滅び行く古い人を脱ぎ捨て
心の深みまで新たにされて
真の義と聖とをそなえた神にかたどって造られた
新しき人を着るべきである」
(エペソ人への手紙4章17-24節)


神を知らない多くの人々は
”むなしい心”すなわち、世の中の愚かな考え方に従って生きています
そこには神の知恵がなく、その心はいよいよ硬くなって
神からは遠く離れていくばかりなのでした
たとえ間違いを犯していても、それがもう何ともなくなってしまい
迷った感覚のまま、滅びに向かって生きていくような
そういう”古い人”を脱ぎ去って
神にかたどって造られた”新しい人”を着る
すなわち、洗礼と聖霊を受けることによって新たに生まれかわり
その後は、真理に基づいた正しく清い生活を身につけるべく
新しい生き方をしていかなくてはならないのです

続くエペソ人への手紙5章5節においては
”新しい生き方”の基本が以下のように記されています
「あなたがたは、よく知っておかねばならない
すべて不品行な者、汚れたことをする者、貪欲な者
すなわち、偶像を礼拝する者は
キリストと神との国をつぐことはできない」

”不品行な者、汚れたことをする者、貪欲な者”とは”偶像を礼拝する者”
そして、ここに言う偶像礼拝とは
単に神と称する人形を拝することのみならず
拝金主義や名誉欲など
神のごとく頼りにしてはならないものによりすがる生き方をさしており
このように、神ではないものに心を奪われてしまうと
その人の人生は全く違った不幸なものになっていくのでした

「彼らは神の真理を変えて虚偽とし
創造者の代わりに被造物を拝み、これに仕えたのである
創造者こそ永遠にほむべきものである、アーメン」
(ローマ人への手紙1章25節)


人がそれぞれ抱えている日々の戦い(試練)にあって
そのひとつひとつの戦いに勝利できるのが天国です
そして、勝利に導くのは創造者であり
被造物ではありません

今日のこのみことばを自らの心に刻んでいくことは
聖書の教える真理を自分の心に語る大切な福音伝道です
伝道活動とは、他の人に神さまの話をするのみならず
まず自分の心に何か間違ったところがないのかどうか
自らを省み、心の底から新しくされていくことも
大切な伝道活動なのです

天国の姿はひとりひとりの内にあり
それがやがてその人の表面に表れてくるものです
十字架にかけられた愚かな罪人でさえ天国へ導いてくださった神は
今もわたしたちの上に生きて働き
多くの証を与えてくださいます

世の中に全く正しい人は居らず
聖書のみことばは耳に痛いことも多いわけですが
みことばを通して自分の愚かさを悟り
神の愛を知ることで
天国を身近に感じる者となっていきましょう



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