今週のみことば


11月6日


「主はギデオンに言われた
『あなたと共におる民はあまりに多い
ゆえにわたしは彼らの手にミデアンびとをわたさない
おそらくイスラエルはわたしに向かってみずから誇り
”わたしは自身の手で自分を救ったのだ”と言うであろう
それゆえ、民の耳に触れ示して
”だれでも恐れおののく者は帰れ”と言いなさい』
こうしてギデオンは彼らを試みたので
民のうち帰った者は2万2千人あり
残った者は1万人であった」
(士師記7章2-3節)


窮地に追い込まれるたびに神を求めるイスラエルは
やがて平和がやってくるとしばしば神を忘れ
別の神々に仕えて自ら滅びを招いていました
この時も、ミデアン人に苦しめられたためにイスラエル人は神を求め
神はその求めに応じ、士師としてギデオンをつかわします

ギデオンが兵を連れて陣取っている時
神の言葉が下りました
それは兵の人数が多すぎるというもので
もしこれで勝利したならば
それが神によるものであっても
彼らは自分たちの力で勝ったというであろうと
あらかじめ告げられます
そのため”だれでも恐れおののく者は帰れ”と彼らに言うと
人数は一気に2万2千人も減りました

しかし、神はそれでもまだ人数が多すぎると言われます
そこで次の試みが実施され
1万人の人々は水ぎわまで連れて行かれました
その時、それぞれの水の飲み方によって
神は『この人はあなたと共に行くべきだ』とギデオンに教えます
すなわち
犬のように舌で水をなめる者ひざをついてかがんで水を飲む者は×
水を手にすくって飲んだ者は○
こうして最終的に残ったのは300人でした

敵の大軍に対して300人の兵力で戦うことは
ギデオンにとっても非常に不安なことです
そのため神はギデオンに
恐ろしければ敵陣を偵察に行き
そこで語られている話を聞いてきなさいと告げられます

従者と共にこっそり敵陣に行ったギデオンは
そこで数え切れないほどの兵力を見る一方
ある人が仲間に自分の見た夢の話をしているのを聞きます
その夢とは
大麦のパンがひとつミデアンの陣中にころがりこんで天幕を倒してしまったというもの
その話を聞いた仲間は
それは神がミデアンとすべての軍勢をギデオンの手に渡すという意味だと語ります
この話を聞いたギデオンは勇気付けられ
300人の兵と共に敵陣にのりこんでいくのでした

300人は神の指示通り3組に分けられ
それぞれが武器を用いることなく
ラッパを吹き鳴らし、つぼを打ち砕いて
その音によって敵を撹乱させ、同士討ちさせました
これはすべて神のなされたことでした

物事が上手くいくと
「わたしの力で成功した」と人は思いがちです
この「慢心」は信仰の破綻につながり
やがて神から心が離れていくのです
イスラエルの民は何度もそれを繰り返していますが
人間とはそういうものであることを神はよくご存知なので
この時はわざと兵力が減らされました

わたしたちも
常識的に考えると乗り越えられそうもない試練や難問に突き当たる時
自分の持っている力が弱ければ弱いほど神を求め
助けられた時には
自分の力では成しえないことを実感するでしょう

この信仰は
その時の問題だけ解決すれば良いという
いわゆる単なる対処療法のようなものではなく
問題解決を通して
この神がどういう方であるかを知り
人の心を根本から正しく変えていくものです

今、目の前の問題さえクリアできればと
神さまが何かしてくれることだけを求めていくのではなく
この問題を通して自分が何を知り、どう変わらなくてはならないのか
神の言葉に従っていこうとすることが一番重要なのです

兵力を減らされたギデオンには大変な不安感はありましたが
彼はその試みに従いました
また、神はそんなギデオンの不安感をちゃんと和らげてくださり
おかげでギデオンは勇気をもって踏み出すことができたのです

わたしたちの心に起こる「あきらめ」という常識は
しばしば神の働きを阻害するものです
それは、人はあきらめると神を求めることもしなくなるからですが
この天地創造の神は
どんな人でも同じように助けてくださる方で
信仰歴が長かろうが短かろうが
大人だろうが子どもだろうが
神にあっては、その扱いは変わりはありません

「ヨナタンはその武器を執る若者に言った
『さあ、われわれは、この割礼なき者どもの先陣へ渡って行こう
主がわれわれのために何か行われるであろう
多くの人をもって救うのも
少ない人をもって救うのも
主にとってはなんの妨げもないからである』」
(サムエル記上14章6節)

「時にアサはその神、主に向かって呼ばわって言った
『主よ、力のある者を助けることも
力のない者を助けることも
あなたにおいては異なることはありません
われわれの神、主よ、われわれをお助けください
われわれはあなたに寄り頼み
あなたの名によってこの大軍に当ります
主よ、あなたはわれわれの神です
どうぞ人をあなたに勝たせないでください』」
(歴代志下14章11節)


どんな戦いの時にも
神は求める者の声に聞き答えます
そして、いつも要求されるのは
神の言葉に従って踏み出してみることです
そこに何が待っているかは未知数で
それはちょうどギデオンが敵陣の偵察に行った時のように
どこから確証や勇気が与えられるかもしれません

慰めも励ましても勇気もすべては神によるもの
ちょっとした自信が与えられるだけで踏み出せるものです
神が働けば、敵は自ら不利になるように動き
滅んでいく場合もあります

イスラエルの戦いの歴史は
すなわちわたしたちの人生のひな形です
それぞれの直面する問題や試練によって
しばしば絶望しそうになりますが
どんな時にも神を忘れることなく
また上手くいっている時にも心におごることなく
神の前にへりくだって歩んでいきましょう




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