今週のみことば


2月27日


「これはイスラエルが、先祖たちの守ったように主の道を守って
それに歩むかどうかをわたしが試みるためである」
(士師記2章22節)

カナンの地でそれぞれの領地を得たイスラエルの民は
ヨシュアの死後、神の前に悪を行い
他の神々に仕えるようになっていきました
すると、彼らの周りには災いが起こり
そのために窮地に陥ったイスラエル人のために
今度は神より士師(さばきづかさ)が立てられます
ところが、彼らはその士師にも従わず
先祖たちが歩んできた道からはなれてしまうのでした

神が与えると約束された地カナンであっても
そこにはイスラエルに敵対する民が居て彼らを悩まし
ヨシュアの死んだ時にもなおその民は残されていました
そして神は、今後も彼らを悩ます民を除かないと告げられます
それは
この悩みを通してイスラエルが先祖のように
神の道を歩むかどうかを試みるためでありました

災いの時も幸いの時も
「時」はすべて神が定めるものです
災いから助けられ、恵まれるためにはどうすればいいのかは
前もって何度も繰り返し教えられてきました
ところが、彼らは恵まれるための努力をしようとはしなかった
それは難しいことではなく
ただ神を信頼してその道に従っていけば良いだけのことなのに
彼らは神を忘れて別の神々の方に目移りしていったのです

自分の目先の願いがかなったら
もう神さまを忘れてしまい
一番大切にするべきものが何なのか
その価値観も変わって
やっぱりお金が大事、名誉が大事と
それはちょうど別の神々に仕えるがごとく
本当の神から心が離れていってしまう危険性は
誰の心にも起こりうることです

「わたしが、きょう、命じるすべての命令を
あなたがたは守って行わなければならない
そうすればあなたがたは生きることができ、かつふえ増し
主があなたがたの先祖に誓われた地にはいって
それを自分のものとすることができるであろう
あなたの神、主がこの40年の間
荒野であなたを導かれたそのすべての道を覚えなければならない
それはあなたを苦しめて、あなたを試み
あなたの心のうちを知り
あなたがその命令を守るかどうかを知るためであった」
(申命記8章1-2節)


カナンの地を目前にして
モーセはイスラエルの民に語りました
それは
神を愛し、その教える道に従うならば
必ず彼らはこの地で幸いを得ること
そして
40年間の荒野の旅を通して
ひとりひとりの信仰が試みられ
同時に、どんな時にも助けが与えられてきたことを
決して忘れないようにというものでした

荒野を旅する間には
水がない、食べ物がないなど大きな試練がいくつもあって
その行方がどうなるのか確信も持てないまま
彼らは進んでいきました
このように
神に従うとか、教えられたことを行うというのは
自分が理解して納得してからというものではなく
とにかく信じて進んでいくしかありません
ですから
神と共に歩む、神の道に立って進むには
常に勇気がいるわけですが
どんな試練のうちにも必ず助けが与えられることを覚え
なおかつ感謝していれば
自ずとその道に進んでいくこともできるわけです

「あなたがたをキリストにある永遠の栄光に招き入れてくださった
あふるる恵みの神は
しばらくの苦しみの後、あなたがたをいやし
強め、力づけ、不動のものとしてくださるであろう」
(ペテロへの第一の手紙5章10節)


こうしてわたしたちはさまざまな試練を通して強くされ
正しい生き方の基礎が築かれていくのです

この基礎の部分は非常に重要なわけですが
基礎が未熟で小さいままなのに
その上に大きな建築物を乗せようとすれば倒れてしまいます
大きな建築物、つまりは
自分に見合わない野望や妄想を抱くと
人生は上手く立ち行きませんから
何事も謙遜であることが大切なのです

教会は人が恵まれるところである一方で
恵まれない人が来て救われるところでもありますから
洗礼と聖霊との救いを受けてもなお恵まれない生き方が変えられない人もあり
それによって
恵まれた人と恵まれない人との違いも明らかになるところです

教会に来ていても
『自分の人生には良いことが何もない』という人もいます
確かに、生きていくことそのものが戦いの連続ではありますが
戦いに耐えうる者となるために必要な教育もあり
同時に神の助けもあることを心に刻んでおきましょう

恵みは常に与えられていても
それが自分の願っている形と違えば恵みと認めない
自分の思いこそが正しい道だと信じているのは単なるわがままです

神がどのようにわたしたちを盛り立て
恵もうとしてくださっているのか
わかる人は感謝し
わからない人はいつまでもわからないまま

人生のどこに目を向け、何を見ていくのか
恵みを数えることを知らず
良い時がないと嘆くうちは
本当に良い時は来ないでしょう

このように
神の前にひとりひとりの歩みははっきりと分かれますが
謙遜でないと、自分の現実の姿もわかりません
まずは自分の持っている”悪いクセ”が何なのかを知り
それが良い形に変えられていくように
試練を通して学び
自分が変わる努力をすることができますように



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