今週のみことば


7月31日


「主の言葉がアミッタイの子ヨナに臨んで言った
『立って、あの大きな町ニネベに行き、これに向かって呼ばわれ
彼らの悪がわたしの前に上ってきたからである』
しかしヨナは主の前を離れてタルシシへのがれようと
立ってヨッパへ下って行った
ところがちょうど、タルシシへ行く船があったので
船賃を払い、主の前を離れて
人々と共にタルシシへ行こうと船に乗った』
(ヨナ書1章1-3節)


神よりニネベに行くよう命ぜられたヨナは
その大きな町へ行くのがいやで、タルシシへ逃れようとしました
するとちょうどそこにはタルシシ行きの船がいたので
彼はそれに乗り込みます
ところが、神が嵐を起こされたので船は沈みそうになりました

一体この災いは誰のせいなのか?
それを知るために船に乗る人々はクジを引いたところ
クジはヨナに当たります
そこで彼は自分がしたことをみんなの前で白状し
自分を海に投げ込むようにと願い出ました

ヨナが海に投げ込まれると嵐はしずまりました
一方、ヨナは大きな魚に飲み込まれ
その魚の腹の中で悔い改めの祈りをささげたので
神は魚に命じてヨナを陸に吐き出させます
そこは、ニネベの町でした

自分に用意された道へ進みたくなかったヨナは
”主の前を離れて”全く別の道に進もうとしました
しかも”ちょうど、タルシシへ行く船があったので”
彼はそのまま”主の前を離れて”船に乗り込みます
と、ここまでは順調に進みましたが
あとはとんでもない災いが待ち構えていたわけです

回り道して結局ニネベにつかわされたヨナは
その大きな町で『40日を経たらニネベは滅びる』と言って回ります
大きな町でこんなことを言っても誰も信じそうにもないと思われましたが
意外にもニネベの人々はみんなその言葉を信じて恐れ
王から家畜にいたるまで悔い改めて祈りました
すると神は彼らを許し、災いを下すことをやめたので
ヨナは自分の面子が丸つぶれだとばかりに怒り
神に対して文句を言うのでした

しかし、神の御旨はニネベの人々を滅ぼすことではなく
彼らが悔い改めることにありました
そして実際にそのようになったのですから
ヨナはそれを喜ぶべきところですが
彼は自分の立場を重視するあまり
神の御旨が理解できなかったのです

そんなヨナに対して神は、その心の狭さを
一夜に生えてきた「とうごま」を通して教えます
ニネベの町の今後をじっと見張る彼の上に
神は「とうごま」を生えさせ、彼を強い日差しから守ったので
ヨナはそれを喜びました
ところが今度は、神はそれを一夜にして枯れさせたので
ヨナは暑さで弱り、怒りを神にぶつけています

自分が労したわけでもなく、一夜に生じて一夜で枯れた「とうごま」でさえ
ヨナはこのように惜しんでいる
ならば、神が12万あまりのニネベの人々を惜しまないことがあろうか
その神の御心は
いつの間にか自分中心になっている人にとっては
受け入れがたいかもしれません

神に従う心を捨てて、その恵みから離れて行こうとしたヨナ
自分の面子が立たないことで、神に対し腹を立てるヨナ
その姿は
人間のもつ弱さをよく表しています

「むなしい偶像に心を寄せる者は
そのまことの忠節を捨てる
しかしわたしは感謝の声を持って
あなたに犠牲をささげ、わたしの誓いをはたす
救は主にある」
(ヨナ書2章8-9節)


魚の腹の中に居た時のヨナは
神に対する良心と感謝を思い出し
その心ははっきりと神の方に向けられていました
だからこそ神は魚に命じて彼を陸に吐き出させたのです
そこは彼が行きたくなかったニネベの町
しかしヨナは潔く神の言葉を伝えて回りました
それに答えるようにひれ伏す人々
神の定めた道を歩む時
そこには人の想像を超えた事が起こります

「わたしはあなたにむかって罪を犯すことのないように
心のうちにみ言葉をたくわえました」
(詩篇119篇11節)


いざという時には、その心にあるものが人の行動を左右します
わたしたちの信仰生活は
心の中に神の言葉を取り入れ
神の前の良心を成長させるもので
それがあるならば
ヨナのようにぎりぎりのところで神に立ち返り
正しい道へと方向転換もさせられていきます

ところが一方で
信仰生活に慣れ、神の恵みに慣れてしまうと
物事が上手くいってもそれを当たり前と思い
感謝の心を忘れ
自分の間違いを認めることも、正すこともなく
同じ問題の中を堂々巡りしてしまう場合も少なくありません

せっかく悔い改めて正しい道へと歩み始めたヨナも
そこで物事が順調に進むと今度は自分の「我」が出てきて
たちまち面白くなくなってしまいました
彼はその根本的に間違っている部分に気づかないかぎり
どうでもいいことに腹を立て、死んだほうがマシなどと
愚かなことをつぶやいて
自らを悪い方向へと導いてしまうのです

人の力で人の心を変えることはできませんから
自分自身が変わることこそ大きな神の証
自分が変われば周りも変わります
試練の中に置かれても
とても感謝などできそうにない状況でも
それでも今日もこうして生きて
その試練の中を通っていけていることを
一日の終わりに感謝することができますように

みことばと共に
これまで与えられてきた数々の恵みを心の中に蓄え
それらが必要に応じて思い出されるように
自分の面子にしがみつくことをやめて
神の導く正しい道へと踏み出していきましょう

「また、信仰によって
キリストがあなたがたの心のうちに住み
あなたがたが愛に根ざし愛を基として生活することにより
すべての聖徒と共に、その広さ、長さ、高さ、深さを理解することができ
また人知をはるかに越えたキリストの愛を知って
神に満ちているもののすべてをもって
あなたがたが満たされるように、と祈る」
(エペソ人への手紙3章17-19節)





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