今週のみことば


6月4日


「それからすぐ、イエスは群衆を解散させておられる間に
しいて弟子たちを舟に乗り込ませ、向こう岸へ先におやりになった
そして群衆を解散させてから、祈るためひそかに山へ登られた
夕方になっても、ただひとりそこにおられた
ところが舟は、もうすでに陸から数丁も離れており
逆風が吹いていたために、波に悩まされていた
イエスは夜明けの四時ごろ、海の上を歩いて彼らの方へ行かれた
弟子たちは、イエスが海の上を歩いておられるのを見て
幽霊だと言っておじ惑い、恐怖のあまり叫び声をあげた
しかし、イエスはすぐに彼らに声をかけて
『しっかりするのだ、わたしである。恐れることはない』と言われた
するとペテロが答えていった
『主よ、あなたでしたか
では、わたしに命じて、水の上を渡ってみもとに行かせてください』
イエスは『おいでなさい』と言われたので
ペテロは舟からおり、水の上を歩いてイエスのところへ行った
しかし、風を見て恐ろしくなり、そしておぼれかけたので
彼は叫んで『主よ、お助けください』と言った
イエスはすぐに手を伸ばし、彼をつかまえて言われた
『信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか』
ふたりが舟に乗り込むと、風はやんでしまった
舟の中にいた者たちはイエスを拝して
『ほんとうにあなたは神の子です』』と言った」
(マタイによる福音書14章23-31節)

この前には、「5つのパンと2つの魚」の奇跡について記されています
お腹をすかせた(女と子どもを除いて)5千人の群衆に対して
イエスは、5つのパンと2つの魚をもって十分に食べさせましたが
この奇跡を体験した弟子たちには
その後”強いて”舟に乗せられ、新たな試みを与えられます

その舟にイエスご自身は乗っておられず
強い風と波で悩まされていた彼らでしたが
そんな時に、海の上を歩くイエスの姿を見ても
誰もイエスとは思わず、幽霊だと思って恐れました

そこで、イエスから声をかけられ、やっと安心した彼らの中で
唯一、自分も水の上を渡ってみもとに行きたいと願ったのはペテロです
そして、実際に水の上を歩くことができましたが
イエスではなく、風の方を見たとたんに恐れが来ておぼれかかったところを
イエスによってすぐに助けられるのでした

「5つのパンと2つの魚」の奇跡を目の当たりにしたばかりの弟子たちであっても
イエスが、どんなことでもできる方であることを
完全に信じていたわけではなかったのでしょう
奇跡を見た時には信じていても
次に新たな問題が起こると、また恐れ惑う弟子たち
そして、ペテロは実際に水の上を歩けたにも関わらず
なお風の方を見て、恐れおぼれかかってしまいます
『信仰の薄い者よ、なぜ疑ったのか』
その信仰は、まだあやふやなものでした

イエスから強いて乗せられた舟であっても
速やかに向こう岸についたわけではありませんが
この状況にならなくては
神のわざを体験することはなかった
自ら望んだわけではない道を歩むこととなっても
そして、そこに更なる問題が重なったとしても
神にゆだねていけば
必ずそこに神のわざが現れてくるのです

一連の奇跡の記述は
この人生、イエスが共に歩んでくださることで
様々な危ういところからも助けられ
悩みの時には速やかに現れ、救いの手が差し伸べられることを教えています

その時、わたしたちに必要なことはただ「信じること」
人生にはさまざまな惑わしの風が吹いてきますから
その風を見ておそれていてはおぼれてしまいます
ペテロもイエスの方だけ見ていれば水の上を歩けていたものを
つい風に目を向けたのが恐れの元でした

ひとりひとりの人生の中には
神の大きなご計画があって
そこで起こってくることを冷静に受け止めながら、問題を乗り越えるために
神よりの知恵を与えられる必要があります

神の知恵は単なるごまかしとは違って
いつの間にか根本解決へとつながっていくもの
必ずその実(結果)が伴うものです
どんな場にあっても神は共にいてくださって
すべてのことにおいて働いてくださるのですから
それを堅く信じていきましょう

イエスと共に歩むならば
その人生は幸いな方向へと変えられていくわけですが
それを知ると
イエスを知る知識がどんなに重要であるかがわかります

困った時には必ず共に歩み
最後は一緒に舟に乗り込んで
風も波もしずめて下さる神がいてくださると信じる日々には
喜びと平安があります

心の闇を神の光でおおい
暗いところから立ち上がって
希望をもって進んでいきましょう



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