今週のみことば


8月4日


「ヘロデが彼を引き出そうとしていたその夜
ペテロは二重の鎖につながれ
ふたりの兵卒の間に置かれて眠っていた
番兵たちは戸口で獄を見張っていた
すると、突然、主の使いがそばに立ち、光が獄内を照らした
そして御使いはペテロのわき腹をつついて起こし
『早く起き上がりなさい』と言った
すると鎖が彼の両手から、はずれ落ちた
御使いが『帯をしめ、くつをはきなさい』と言ったので
彼はそのとおりにした
それから『上着を着て、ついてきなさい』と言われたので
ペテロはついて出て行った
彼には御使いのしわざが現実のこととは考えられず
ただ幻を見ているように思われた
彼らは第一、第二の衛所を通りすぎて、町に抜ける鉄門のところに来ると
それがひとりでに開いたので
そこを出て一つの通路に進んだとたん、御使いは彼を離れ去った
その時ペテロはわれにかえって言った
『今はじめて、ほんとうのことがわかった
主が御使いをつかわして、ヘロデの手から
またユダヤ人たちの待ちもうけていたあらゆる災いから
わたしを救い出して下さったのだ』」
(使徒行伝12章6-11節)


ヘロデ王による迫害でヨハネの兄弟ヤコブが殺された後
今度はペテロも捕らえられて、民衆の前に引き出される前夜の事でした
全部で16人の兵卒に見張られていたペテロのもとに御使いが現れ
彼を外へと導いていきます
その間ペテロはまるで幻を見ているような感じでついて行き
最後に御使いが離れた時にはじめて神の助けを実感するのでした

こうして牢獄から助け出されたペテロが
彼のために祈っている人々の家にたどり着き、門をたたくと
取次ぎに出てきた女中はペテロが帰ってきたことを知り
皆に告げに走りますが
彼女の報告を誰も信じようとはしませんでした
そして、最後には女中はペテロの御使いを見たのだろうとまで言われます
ペテロのために懸命に祈っていた彼らであっても
彼があの牢獄から戻って来るとは思えなかったのでしょう

ペテロは捕らえられていた時
「ふたりの兵卒の間に置かれて眠っていた」とあるように
特に何かしていたわけではなく
ただ自分の身になされることを受け入れていました
そこへ希望の光がさしてきて
御使いが現れ、彼を起こします
絶望的な立場であったペテロの問題は
ここから自然と解決に向かっていくのですが
その間ペテロは御使いの命じるままに動いていました

そこには何か人間的に無理なことがあったわけでもなく
手から鎖が落ち
門がひとりでに開き
すべては自然に進んでいきます
神の御旨、神の導きとはそういう自然な道なのでしょう

ここにある「門」は
わたしたちの人生の諸問題でもあります
しばられていた鎖から開放され
自然に開かれる道を進む
その間、ペテロが御使いの言葉に従ったように
先にあるもの(結果)が何なのかは教えられずとも
とにかくそのまま自分のなすべきことを行いながら進む
そのためには
自分の心も神に対して開いていく必要があります

「ところが夜、主の使いが獄の戸を開き、彼らを連れ出して言った
『さあ行きなさい。そして、宮の庭に立ち
この命の言葉をもれなく人々に語りなさい』」
(使徒行伝5章19-20節)


この時も、ペテロは留置場に捕らえられていましたが
やはり御使いが現れて救い出されました
そして彼は
これから「命の言葉=イエスの言葉」を語るようにと命じられます

つまり、彼が救い出されたのはこの福音のためであり
わたしたちの諸問題という門が開き、解決がなされるのも
わたしたちの名誉や面子のためではなく
すべては神の栄光のため
わたしたちが神の証人となるためなのです

どんな大きな問題を抱えることになっても
人は土から造られたものだと思えば
神に対して文句を言う立場にはないことがわかります
しかし、神は証をもってわたしたちを生かしてくださいますから
もうダメと思わないで
必ず助けがあることを信じて祈り
無理やりこじ開けるのではなく
自然に開かれる道を進んでいきましょう





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