今週のみことば


8月25日


「そこでパウロは、アレオパゴスの評議所のまん中に立って言った
『アテネの人たちよ、あなたがたは、あらゆる点において
すこぶる宗教心に富んでおられると、わたしは見ている
実はわたしが道を通りながら
あなたがたの拝むいろいろなものをよく見ているうちに
”知られない神に”と刻まれた祭壇もあるのに気がついた
そこで、あなたがたが知らずに拝んでいるものを、いま知らせてあげよう
この世界と、その中にある万物とを造った神は、天地の主であるのだから
手で造った宮などにはお住みにならない
また、何か不足でもしておるかのように
人の手によって仕えられる必要もない
神は、すべての人々に命と息と万物を与え
また、ひとりの人から、あらゆる民族を造り出して、地の全面に住まわせ
それぞれに時代を区分し、国土の境界を定めて下さったのである
こうして、人々が熱心に追い求めて捜しさえすれば
神を見いだせるようにして下さった
事実、神はわれわれひとりびとりから遠く離れておいでになるのではない
われわれは神のうちに生き、動き、存在しているからである
あなたがたのある詩人たちも言ったように
”われわれも、確かにその子孫である”
このように、われわれは神の子孫なのであるから
神たる者を、人間の技巧や空想で金や銀や石などに彫り付けたものと同じと見なすべきではない
神は、このような無知の時代を、これまで見過ごしにされていたが
今はどこにおる人でも、みな悔い改めなければならないことを命じておられる
神は、義をもってこの世界をさばくためその日を定め
お選びになったかたによってそれをなし遂げようとされている
すなわち、このかたを死人の中からよみがえらせ
その確証をすべての人に示されたのである』
(使徒行伝17章22-31節)


アテネに行ったパウロは
そこでたくさんの偶像があるのを見て憤り
出会う人々を相手に、イエスと、その復活について語っていました
アテネの人々はパウロの持ってきた”新しい教え”に興味を示し
アレオパゴスの評議所に連れて行き
その教えがどういうものか語るようにと求めます

パウロは
さまざまな偶像の祭壇に交じって
”知られない神に”と書かれた祭壇があるのを見つけ
アテネ人がまだ知らない、天地創造の神について語り始めました

この神は万物の主であるのだから
他の神々のように、人間が作った宮に住むわけでもなく
人の手助けも必要ないこと
また
この神がすべての人を造り、地に広がらせたこと
そして
この神は、求めれば見出すことができ
わたしたちの近くにいて下さって
その神の中でわたしたちは生かされ動かされ存在していること
更には
わたしたち自身は神の子孫なのだから
神を、金や石などで造った単なる偶像と同じと考えてはいけないこと
そして
すべての人が悔い改めなければならないことを語り続けましたが
最後に
イエスが死人の中からよみがえった話になると
多くの人々はあざ笑い、あるいは『いずれまた聞こう』と言って
その先を聞こうとしませんでしたが
それでも
パウロの言葉を信じて従った人もありました

パウロは大伝道者として後世に名を残す人となりましたが
彼は、律法学者の元で勉強した人ではあっても
そういう学問的なことで人々を説得したわけではありません
元はと言えば
イエスを迫害する立場にあったのが
突然イエスに捕えられ、心を変えられた
その実体験が彼の熱心の源であり
彼の熱意が人々の心を動かしていくのです

かつての自分と同じように
律法の中に閉じ込められて不自由な思いをしている人々
あるいは、力も何もない偶像に頼っている人々に
その間違いを教え
本当の救いがあることを伝えていく
それがどんなに重要なことであるか
身をもって体験しているパウロだからこそ
命も惜しまず進んでいけたのです

そして、今わたしたちも
神を求める心をもてば誰でも神を見出すことができ
誰でも救いを受けることができる上に
イエスを否定しようとしてもできないほどの証がひとりひとりに与えられ
それを大切にしていくならば
誰でも神の証人として
パウロのように用いられていくのです

昔の人々が
律法の中で不自由な生き方を強いられていたように
今は今で、さまざまな間違った価値観に惑わされ
多くの人が自由を失っています
そんな時代の中で
お金や地位や名誉といった世のものが乏しくても
人を恐れず
世の中のしがらみに捕らわれず
イエスを信じて喜んで生きる姿は
必ず人々の心に何かを与えるでしょう

パウロの話を聞き
救われるチャンスがありながら
それを逃した人々のように
人はなかなか真実をつかむことができず
神ではない別のものに心を奪われてしまいがちです

わたしたちは
神のうちにあって生かされていることをもう一度思い起こし
油断することなく
心のすき間を狙われないように
ひとりひとりに与えられた神の証を大切にもって
日々の生活を歩んでいきましょう



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