今週のみことば


6月1日


「キリスト・イエスに結ばれていれば、割礼の有無は問題ではなく
愛の実践を伴う信仰こそ大切です
あなたがたはよく走っていました
それなにの、いったいだれが邪魔をして真理に従わないようにさせたのですか
このような誘いは、あなたがたを召し出しておられる方からのものではありません
わずかなパン種が練り粉全体を膨らませるのです
あなたがたが決して別な考えを持つことはないと
わたしは主をよりどころとしてあなたがたを信頼しています
あなたがたを惑わす者は、だれであろうと、裁きを受けます
兄弟たち、このわたしが、今なお割礼を宣べ伝えているとするならば
今なお迫害を受けているのは、なぜですか
そのようなことを宣べ伝えれば、十字架のつまづきもなくなっていたことでしょう
あなたがたをかき乱す者たちは、いっそのこと自ら去勢してしまえばよい
兄弟たち、あなたがたは
自由を得るために召し出されたのです
ただ、この自由を、肉に罪を犯させる機会とせずに
愛によって互いに仕えなさい
律法全体は『隣人を自分のように愛しなさい』という一句によって全うされるからです
だが、互いにかみ合い、共食いしているのなら
互いに滅ばされないように注意しなさい」
(ガラテヤ人への手紙5章6-15節)


イエスが救い主として生れてきてくださり
十字架にかかることで
万民に洗礼と聖霊のバプテスマを受けて救われる道が開かれた今
もはや古い律法ではなく
イエスを信頼し、その言葉に従っていく信仰こそが重要であると教えられると
人々はその教えに従ってまっすぐ歩んでいたはずなのに
そこに邪魔する者があらわれて人々の心を惑わすと
その思いはちょうどパン種のようにふくらんでいきました

パウロは、それまでも、それからも
ずっと人々の”十字架のつまづき”と戦っています
パウロが昔と同様、割礼などの律法を人々に勧めていたなら
彼はひどい迫害を受け続けることもなく
その一方で、イエスの十字架の意味もなくなっていったでしょう

人々が救われたのは
律法から解放され自由を得るために
神が選んで召し出して下さったからです
こうして洗礼を受けた者は、キリストと結ばれ、神の子となるとともに
”キリストを着ている者”とされました(3章26節)

そして
もう律法から解放されて自由になったと言って
自分の欲に従い、キリストの心に反して、いがみ合いや争いを起こすことは
”キリストを着ている者”としてふさわしくありません
なぜなら
律法はたくさんありますが、それらをまとめるなら
『自分を愛するように、あなたの隣人を愛せよ』
という一句に尽きるからです

神は愛そのものであり
キリストを着ている者もまた
その愛に根差し、愛を基として
自ら愛を実践する者として選ばれたもの
こうして
人生の土台をイエスに置いたわたしたちクリスチャンは
その価値観も生き方も神に習い
”キリストを着ている者”としてふさわしい歩みを教えられていくのです

ところが
ガラテヤの教会に割礼が再び入ってきたように
わたしたちの心の中にも惑わす者が入り込んで
純粋な信仰ではない方向へと誘っていくことがあります

それは、外部から入り込んでくるというよりも
自分の心にある”誇り”がパン種のようにふくらんでいく場合が多く
やがて自分の虚栄心を満たす方向へと進んで行くところに
”争い”や”ねたみ”といった”肉の思い”が広がっていくのでした

人と比べて優劣を競う人生は
人を狭く不自由な価値観の中に閉じ込めるもので
信仰とは合い入れない世界です
こうして一生、人と比べて生きていき
自分の誇りを満足させようとしても
どこまでもいつまでも満足感はありません

どんな人も、やがてみな年をとり、衰えて行くにも関わらず
その現実が受け入れられず
もっと若く元気でなければ・・・と、自分のなかに律法(おきて)を作ってみても
結局思い通りの展開にはならず
そこにはイライラした心だけが残っていくでしょう

老化も病気も様々な困難も
どれも都合の悪いものではあっても
すべて神にゆだねて受け入れて行く
それが信仰の基本です
これは神を信頼していなければ出来ないことですし
信じて待つその心が神に見られているのです

また、どのような状況にあっても
それぞれにできることがあり
神に希望を置いて進む人には
その”できること”から様々な楽しみが生れ
更に思いがけない展開があるものです

”神の前に前進する”あるいは”神と共に歩む”という信仰生活は
言いかえれば
日々の生活の中に神(=愛)を入れるということ

自分を誇る心は、やがてふくらんで
純粋な信仰から離れさせ
聖書の教える信仰とは別の考え方になってしまいます

そのようにならないために
”キリストを着た者”として
世間や自分のつくった律法(おきて)に惑わされず
愛の実践を伴う信仰をもって
日々を穏やかに過ごしていきましょう



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