今週のみことば


4月5日


「そこで、わたしの子よ
あなたはキリスト・イエスにある恵みによって、強くなりなさい
そして、あなたが多くの証人の前でわたしから聞いたことを
さらにほかの者たちにも教えることのできるような忠実な人々にゆだねなさい
キリスト・イエスの良い兵卒として、わたしと苦しみを共にしてほしい
兵役に服している者は、日常生活の事にわずらわされてはいない
ただ、兵を募った司令官を喜ばせようと努める
また、競技をするにしても
規定に従って競技をしなければ、栄冠は得られない
労苦をする農夫が、誰よりも先に、生産物の分配にあずかるべきである
わたしの言うことを、よく考えてみなさい
主はそれを十分に理解する力をあなたに賜るであろう」
(テモテへの第二の手紙2章1-7節)

さまざまな迫害の中で苦労するテモテに向けて
パウロは更に励ましの言葉を送ります

パウロ自身もまた
キリストの福音を伝える「兵卒」として迫害の中で戦い続けており
その苦しみの中でなお神の恵みを受けて強くなってきました
そんなパウロと同じように
テモテにもキリストの「兵卒」であることの自覚をもって戦ってほしいのです

兵卒は、司令官を喜ばせることに努め
競技者は、ルールから外れないように自分の務めを果たし
労苦を惜しまず働く農夫は報いを受ける

召集された兵士は自分の日々の生活費の心配をすることなく
ただ司令官の命令に従い、良い働きをしようとするように
キリストの兵卒として集められた(救われた)クリスチャンは
日々の思いわずらいや不安を神にゆだね
どんな境遇に置かれてもそれを受け入れ、強く生きていくことで
神を喜ばせることに努めます

また、各々自分の考えはあれど
神の定めた「正しさ」を理解し、受け入れていかなくては
せっかく頑張ったことも失格になってしまっては意味がありません

ただ神を信頼し、開かれた道に従って
自分に与えられた務めを果たしていく時
そこには神の報いがあるでしょう

「この福音のために、わたしは悪者のように苦しめられ
ついに鎖につながれるに至った
しかし、神の言葉はつながれてはいない」

(テモテへの第二の手紙2章9節)

キリストのよみがえりを伝えたパウロは
そのために迫害され、投獄されて鎖につながれました
こうしてパウロの身はつながれても
彼を支えている「神の言葉」を人がつなぐ(支配する)ことはできませんから
パウロはそのような不自由な状況にあっても神の言葉に励まされ
自分の使命に忠実に従っていくことができました

「『キリスト・イエスは罪人を救うためにこの世にきて下さった』
という言葉は、確実で、そのまま受け入れるに足るものである
わたしはその罪人のかしらなのである」
(テモテへの第一の手紙1章15節)


人間に完全な人はおらず
みなどこかが欠けている愚かな存在ですが
パウロも以前はそんな愚かな自分の考えを正しいと信じており
間違いに気づいた後は、自らを「罪人のかしら」と言っています

かつてのパウロがそうであったように
多くの人は自分の信じる正しさの思想に支配されていて
自分の考えだけが正しいと思い
それ以外は受け入れようとしないものです

ところが、自分の考えのみを正しいと思う人は
思いやりの心に欠け
しばしばトラブルを起こします

例えば
外で働く人だけが大変だと思っている人は
家の中で働く人の労苦を思いやることができず
体は鍛えさえすれば元気だと思っている人は
体の弱い人の事を思いやることができず
いつか自分が年をとった時に弱さを知ることになるでしょう

また、お金を使わない事にこだわる人は
自分をいたわるためのお金も惜しみ
趣味は無駄だと思っている人は
心のゆとりを得る機会を自ら失っています

このように、人は自分で勝手に規則を作り
あるいは人から伝えられた思想をそのまま信じることにより
自ら不自由という鎖につながれて
人生が面白くなくなっていくのです

「もしわたしたちが、キリストと共に死んだなら
また彼と共に生きることを信じる」
(ローマ人への手紙6章8節)


イエスの名による洗礼を受けることは
この世にある多くの思想から一度死んで
新たに生まれ変わり、神の言葉と共に生きる者とされる為の関門です

ただ、洗礼を受けてもなお古い思想につながれたままであるなら
この世にあって天国を味わうことはできません

教会にはさまざまな問題が持ち込まれますが
考え方を変えるだけで楽になれるケースが非常に多いにもかかわらず
その提案を受け入れるのはなかなか難しいもの
なぜなら、自分が正しいと思っている事以外を信じるには
信仰が必要だからです

「次の言葉は確実である
『もしわたしたちが、彼と共に死んだなら
また彼と共に生きるであろう
もし耐え忍ぶなら、彼と共に支配者となるであろう
もし彼を否むなら、彼もわたしたちを否むであろう
たとい、わたしたちは不真実であっても
彼は常に真実である
彼は自分を偽ることができないのである」

(テモテへの第二の手紙2章11-13節)

本当に正しい「真実」という存在は神だけ
もし、不完全な人間の中に真実を求め、神を拒むなら
神の恵みを自ら拒むことになります

人間は愚かだからこそ表面的なことに惑わされて
大切なものを見失いがちです
物事の本質を見極めるために必要なのは神の知恵
そして
神の言葉によって人は生かされ
その人生は祝されるのです

創世記に登場するヨセフは
奴隷として売られたり、策略で投獄されたりしますが
常に神を信じ、希望をもっていた彼は
どんな立場にあっても忠実に自分の使命を果たすことで
信用を得、重要な仕事を任されるようになりました

神の言葉を信じる者は
どこにいても、何になっても
心配することなく生きていけるし、みじめなことにもならない
ヨセフの生き方は
わたしたちに最も大切なことを教えてくれます



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