今週のみことば


10月10日


「そのころ、ギルガルのヨシュアのもとにユダの人々が来た
その一人ケナズ人エフネの子カレブがこう言った
『主がカデシュ・バルネアでわたしとあなたのことについて神の人モーセに告げられた言葉を
あなたはご存じのはずです
主のしもべモーセがわたしをカデシュ・バルネアからつかわし、この地方一帯を偵察させたのは
わたしが40歳の時でした
わたしは思ったとおりに報告しました
一緒に行った者たちは民の心をくじきましたが
わたしはわたしの神、主に従いとおしました
その日、モーセは誓って
『あなたがわたしの神、主に従いとおしたから、あなたが足を踏み入れた土地は
永久にあなたとあなたの子孫の嗣業の土地となる』と約束しました
ご覧ください。主がモーセにこの約束をなさって以来45年
イスラエルがなお荒野を旅した間、主は約束どおりわたしを生き永らえさせて下さいました
今日わたしは85歳ですが、今なお健やかです
モーセの使いをしたあの頃も今も変わりなく
戦争でも、日常の務めでもする力があります
どうか主があの時約束して下さったこの山地をわたしにください
あの時、あなたも聞いたように、そこにはアナク人がおり、城壁のある大きな町々がありますが
主がわたしと共にいてくださるなら、約束どおり、彼らを追い払えます』」
(ヨシュア記14章6-12節)

カナンの地での戦いが一段落した時
ヨシュアはモーセから命じられていた通り
イスラエルの人々に、部族ごとの領地を分け与えました

イスラエルの部族は12あり
それはヤコブの12人の子どもたちから出ているものですが
そのうちレビ族は神の仕事をするために領地の分配を受けず
ヨセフの子ども2人(マナセとエフライム)の部族が入って
全部で12部族となっていました

その中でユダ族の一人であるカレブは
ヨシュアに対して、自分の望む領地を与えてくれるように願い出ます
その地は、出エジプトをして初めにカナンの地まで到達した際
12人の偵察隊のひとりとして選ばれたカレブが
『あなたがわたしの神、主に従いとおしたから、あなたが足を踏み入れた土地は
永久にあなたとあなたの子孫の嗣業の土地となる』

と、あらかじめ約束されていた所だからです

当時40歳であったカレブは、ヨシュアと共に
偵察したカナンの地について、豊かな実りのある良い地として見たままを報告しましたが
他の人々はそこにアナク人という背の高い巨人族がいたため恐れ
悪く言いふらし、その地に入ることを拒んだのでした
せっかく神が約束の地として与えると言い、目の前まで導かれながら
彼らは神を信じようとせず、エジプトに戻ろうとして神の怒りをまねき
更に40年も荒野をさまようことになるのです

「モーセがつかわした男たちは、土地の偵察から帰ると
その土地について悪い情報を流し、共同体全体が彼に向かって不平を言うようにしたが
土地について悪い情報を流した者は、主の御前で疫病にかかって死んだ
しかし、土地を偵察に行った者のうち
ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブだけは生き残った」
(民数記14章36-38節)


こうしてヨシュアとカレブだけは後にカナンの地へ入ることができましたが
この当時、神に対して不平を言った20歳以上の者はみな荒野で死に
その子孫がカナンの地へと入っていくのです

カナンの地の偵察から45年がたち、カレブは85歳になりました
それでも彼は45年前の約束を覚えており
その約束された土地を下さいと願い出ます
しかし、そこには依然としてアナク人が住んでいました
やっとカナンの地に入り、戦いが一段落して領地が分けられても
それぞれまだ戦う相手がそこにはいたのです

それでも、神が共にいて下されば
そこにアナク人が居ようとも恐れることはない
すでに年はとってもまだ自分は戦えるはずだと
なにしろこの戦いは、神が勝利を約束された戦いなのだからと信じて
カレブは勇んで戦うのでした

「ヨシュアはエフネの子カレブを祝福し、ヘブロンを嗣業の土地として彼に与えた」
(ヨシュア記14章13節)


「嗣業」とは、広辞苑にものっていない言葉ですが
これは”神から分け与えられ受け継ぐもの”を表す聖書特有の言葉です
そこには土地や財産、あるいは才能などもあるでしょう
各々が神から与えられたものをもって戦いに出る
その時には、「神に従う」との心の備えがあれば
心のうちにわき起こる不安などを含めた悪い思いも取り去られて
まっすぐに神の道を歩むことができるのです

とはいえ、人の心は弱いので
目の前に大きな問題があると
悪い思いの方が勝ってしまいがちですが
出エジプト以来、ずっと神の奇跡を見てきたカレブは
そのひとつひとつを忘れず心に留めていたので
いざという時には必ず不安を退けることができました
それは彼の信仰の成長の証と言えるでしょう
年老いてもなお戦えると信じる彼には
信仰こそが最大の武器だったのです

わたしたちの人生には次々問題が起こり
いつになったら安泰の時が来るのかと途方に暮れつつも
実は安泰になれば神を忘れるのが人間の常・・・
それでも問題が起こればやはり頼るのは神だけです
その時こそ
今までの神の助けや恵みを思い出し
カナンの地の良い所を見て希望を見出したカレブのように
神を信頼して進んでいけたら幸いです

このように
どんな時もそこに”神を見出していけるかどうか”がポイントになるわけで
人を恐れ、人を頼りにしていると
裏切られたり失敗することになるでしょう

神から与えられた土地であっても、そこにはまだ敵がいて
それでも入ろうとするカレブは、人を恐れていませんでした
それは、彼の信仰がそのようにさせたからです
信仰信仰と口で言うのは簡単ですが
立派なことを言うだけではなく
行動で示すことが何より重要ですから
わたしたちも人を恐れる前にまず祈って
信仰をもって自分のなすべきことをなしていきましょう

「祈る」とは、自分の勝手な思いが成就するためではなく
”神の手にゆだねる”ことを意味します
こうして問題が解決すれば、わたしたちは”神をつかむ”ことができ
神がどういう方であるかを知ることになるのです



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