今週のみことば


12月5日


「さて、主の御使いが来て、オフラにあるテレピンの木の下に座った
これはアビエゼルの人ヨアシュのものであった
その子ギデオンは、ミディアン人に奪われるのを免れるため
酒ぶねの中で小麦を打っていた
主の御使いは彼に現れて言った
『勇者よ、主はあなたと共におられます』
ギデオンは彼に言った
『わたしの主よ、お願いします
主なる神がわたしたちと共においでになるのでしたら
なぜこのようなことがわたしたちにふりかかったのですか
先祖が、”主は、われわれをエジプトから導き上られたではないか”
と言って語り伝えた、驚くべき御業はすべてどうなってしまったのですか
今、主はわたしたちを見放し、ミディアン人の手に渡してしまわれました』
主は彼の方を向いて言われた
『あなたのその力を持って行くがよい
あなたはイスラエルを、ミディアン人の手から救い出すことができる
わたしがあなたを遣わすのではないか』
彼は言った
『わたしの主よ、お願いします
しかし、どうすればイスラエルを救うことができましょう
わたしの一族はマナセの中でも最も貧弱なものです
それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です』
主は彼に言われた
『わたしがあなたと共にいるから
あなたはミディアン人をあたかも一人の人を倒すように打ち倒すことができる』
彼は言った
『もし御目にかないますなら、あなたがわたしにお告げになるのだというしるしを見せてください
どうか、わたしが戻ってくるまでここを離れないでください
供え物を持ってきて、御前におささげしますから』
主は『あなたが帰ってくるまでここにいる』と言われた」
(士師記6章11-18節)

イスラエルを士師が導いている間、国は平穏でしたが
士師がいなくなるとまた彼らはカナンの地の神々を拝むようになり
神を大いに怒らせました
そこで神は7年間、イスラエルをミディアン人の手に渡されたので
イスラエルは苦しみ衰え、また神を求めるようになります
こうして次に士師として選ばれたのがギデオンでした

この時、神の使いから「勇者よ」と呼ばれたギデオンですが
彼自身はミディアン人を恐れて酒ふねに隠れて麦を打っていたような人ですから
実際には小心者だったようです
もし彼が本当の勇者だったら
ミディアン人に小麦を奪われないように自ら戦ったことでしょう

そして、彼も自分の事を
「わたしの一族はマナセの中でも最も貧弱なものです
それにわたしは家族の中でいちばん年下の者です」
と言い
そんな自分にどうやってイスラエルを救うことができようかと
自分に与えられた使命を受け入れ難く思っていたのでした

彼は、イスラエル人がかつてエジプトを出てカナンの地に導かれた伝説を聞いていますが
今のイスラエルの苦境を見ると
その当時の神の助けがどうして今はなくなってしまったのかと絶望していたので
神の使いの言葉をそのまま信じることも難しかったのです

そこでギデオンは
神が本当に彼を選んだのだという「しるし」を求めました
そして、彼の持ってきた捧げ物を神は火を持って受け入れたのを見て
彼はやっと神の言葉を信じたのでした

その夜、神はギデオンに
バアルの祭壇を壊し、アシェラ像を切り倒して
イスラエルの神のために祭壇を作って捧げものをするように命じます
ギデオンがその言葉通りに実行すると
バアルの祭壇やアシェラ像が切り倒されているのを見た人々が怒り
犯人がギデオンであることを突き止めて
ギデオンの父親に息子を出せと迫りました
しかし父親は彼らに向かって
『もしバアルが神なら、自分の祭壇が壊されたのだから、自分で争うだろう』(31節)
と言い、偶像には力がないことを告げるのでした

ここからギデオンの元に兵力が集まってきて戦いが始まるのですが
その前にギデオンは
本当に神は自分によってイスラエルを救おうとしているのかを再び確認します
自分には力がないと知っているからこそ
ギデオンは納得できる「しるし」が欲しかったのでしょう
そして、神はその願いを更に2度も聞いて下さいました

最初は、羊一匹分の毛を麦打ち場に置いておき
羊の毛にだけ露を置き、周りの土は乾いている状態にしてもらい
次には、羊の毛は乾いて、周りの土がぬれているようにと
どちらも願った通りにしてもらったのです

神が共にいるのだから戦いに勝利できる
そう告げられても、自分に自信のないギデオンには
どうしてもその言葉の証拠が欲しかったように
わたしたちクリスチャンも
自分に力がないと分かっている人ほど
目の前に自分の想像以外の道が開かれてきた時には
本当に大丈夫なのだろうかと恐れ
「しるし」を求めたくなるのではないでしょうか

ギデオンのように何度もしつこく証拠を求めようとするのは
神を信じられない人のすることではありますが
それでも神はちゃんと「しるし」を与えてくださるのですから
後はもう信じて進むのみ
実際にギデオンはここから勇者として立ち上っていくのです

自分に自信はないながらも
それでも証拠を示してもらったギデオンは
神の言葉に従って
バアルの祭壇を壊すという大それた行動をおこします
そうすることで大変なことになるのはわかっていても
神の選びのうちに自分が生かされていると信じ、彼は従いました
もし従わなければ
神の業を見ることもできません
それは現在を生きるわたしたちも同じです

クリスチャンとは
小さく弱いからこそ選ばれ、救われて、神の民とされた者です
ギデオンの知らない出エジプトの時代に神がなされた奇跡は
ギデオン自身も体験することになり
それから遠い時代に生きるわたしたちにも起こること
こうして神の働きはずっと伝承されて
信じる者の希望となっていくのでした

そして、今わたしたちの日々の暮らしの中にも神の助けがあり
それを体験した時には喜んでも
時間がたつとその喜びも忘れて
また問題が起これば不安になるでしょう
人間はいつもその繰り返しです
だからこそ教会があって
聖書を通して忠告があり、希望が与えられて
わたしたちはまた信仰を持って前を向いて進んでいくことができるのです

人間は神に従うべきものであることと
従うものには祝福があることを教えられ
神が共にわたしたちのうちにいてくださることを覚えておくと
他人に起こった奇跡であっても
自分を生かす力となるでしょう

こうして、クリスチャン同士
お互いの神の証がお互いの中で生きて(共有して)
各々の心の中に天国があるように
共に神に生かされている者として生きていけたら幸いです

どんな時も神は必ず助けてくださる
その信頼を持って新しい週も踏み出していきましょう



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