今週のみことば


11月12日


「ペリシテ人は、その軍勢をすべてアフェクに集結させた
イスラエル軍は、イズレエルにある一つの泉の傍らに陣を敷いた
ペリシテの武将たちはおのおの百人隊、千人隊を率いて進み
ダビデとその兵はアキシュとともにしんがりを進んだ」
(サムエル記上29章1-2節)


ペリシテとイスラエルの戦いがこれから始まるという頃
アキシュ王はダビデを信頼し、自分の護衛の長に任じたことが
28章のはじめに記されています

27章においてダビデはサウルから逃れるために
ペリシテ領ガトの王アキシュのところに居場所を求めました
そこでダビデはイスラエル人を攻撃しているとウソをついては
アマレク人やゲシュル人といったイスラエルの敵を全滅させ
戦利品をアキシュに持ち帰ったので
アキシュはすっかりダビデを信用していたのでした

しかし
ここでペリシテとイスラエルの戦いが始まります
ダビデはイスラエル人でありながら
ペリシテの一員として戦いに出向かなくてはなりません
ところが
アキシュの親衛隊の長として後方からアキシュと共に進むダビデに対して
ペリシテの武将たちは異議を唱えます
アキシュとしては深く信頼しているダビデのことを
みんなにも理解してもらおうとするのですが
武将たちはそれを受け入れようとしません

「ペリシテの武将たちはいらだってアキシュに言った
『この男は帰らせるべきだ
彼をもともと配置した場所に戻せ
我々と共に戦いに向かわせるな
戦いの最中に裏切られてはならない
この男が元の主人に再び迎え入れられるには
ここにいる兵士たちの首を差し出すだけで十分ではないか
”サウルは千を討ち、ダビデは万を討った”と
人々が歌い踊ったあのダビデではないか』」(4-5節)


この騒動に困惑したアキシュは
ついにダビデに対して戦いから離れて帰るように告げます
それはダビデにとって大変好都合なことでしたが
アキシュとの信頼関係を保ちつつ
いかにも残念そうに戦列を離れていくのでした

イスラエルの王として少年の時に油を注がれて以来
ダビデはサウル王に追われ続け
ついにはペリシテ軍の中に身を置くまでに追い込まれていました
聖書の中には
ダビデの心理描写はいちいち書かれてはいませんが
サウル王から追われ続ける身も辛く
一方で、ペリシテ人の中に居て
アキシュ王をあざむきながら生きていくのも大変で
ましてやイスラエルを相手に戦わなくてはならなくなった時には
どれほど辛く苦しかったことでしょうか

ペリシテの地にあって
神の知恵をもって上手にふるまってきたダビデも
戦いに出向く時には
すべては神に任せて、とにかく行くしかない
という心境だったのではないかと思われます
その時
思わぬ神の助けが起きました
ペリシテの武将たちがダビデの存在を嫌ったことで
ダビデがイスラエルと戦うことはなかったのです

このように
神は思わぬところから助けを与えてくださる方です
わたしたちの人生でも
「万事休す」というところまで追い込まれることはあっても
結局はいつも助けられて今日があるのではないでしょうか

わたしたちの日々の歩みには神の助けが不可欠で
その助けを経験したなら、決して忘れてはなりません
そうすれば信仰は失われず
どんな時にも希望を持つことができます

わたしたちは勝手に生きているのではなく
神の助けのうちに生かされている
神の成してくださる業に目を留めて、感謝して、喜んで
一人一人が良き実を結ぶために
成長していきましょう



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