今週のみことば


6月25日


「そこへサウルが牛を追って畑から戻って来た
彼は尋ねた『民が泣いているが、何事か起ったのか』
彼らはヤベシュの人々の言葉を伝えた
それを聞くうちに神の霊がサウルに激しく降った
彼は怒りに燃えて、一くびきの牛を捕え、それを切り裂き
使者に持たせて、イスラエル全土に送り、次のように言わせた
『サウルとサムエルの後について出陣しない者があれば
その者の牛はこのようにされる』
民は主への恐れにかられ、一丸となって出陣した
サウルがベゼクで彼らを点呼すると、イスラエルが30万、ユダが3万であった」
(サムエル記上11章5-8節)

サウルが王として立てられた後
アンモン人がギレアドのヤベシュに攻めてきました
ヤベシュの人々は戦わずアンモン人に仕えようとしましたが
アンモン人の王ナハシュは
ヤベシュの住民全員の右目をえぐり出し
全イスラエルを侮辱することを和睦の条件としたので
ヤベシュの人々は絶望して嘆きます

そこへサウル畑から戻ってきました
当時の彼は王として油は注がれていても
まだ普通の仕事をしていたようですが
ヤベシュの人々が窮地に立たされていることを聞いた時
神の霊がサウルに臨みました

サウルはひとくくりにされた牛を切り裂いて
イスラエルの全土に送りつけ
総力を上げてアンモン人と戦うことを呼びかけます
『サウルとサムエルの後について出陣しない者があれば
その者の牛はこのようにされる』

これはイスラエル人への単なる脅しではなく
神にあって全イスラエルを一致させ、奮い立たせようするためでした

この呼びかけに対して
イスラエルの民もまた神への恐れにかられて
多くの兵を差し出しました
こうして33万人もの兵力が集まったのです

ヤベシュの人々は
『明日、日盛りの頃、あなたがたに救いが来る』と聞かされ喜びました
翌日サウルは民を三つの組に分け
朝早くアンモン人の陣に突入して打ち破ります
この勝利を見てイスラエル人は
以前サウルに対して
『こんな男に我々が救えるか』とののしった人々を殺そうと提案しましたが
サウルはそれをとどめました
『今日、主がイスラエルに救いの業を行われたのだから』と

その後サムエルは民をギルガルに導き
そこで王国をたてる事を宣言します
ここで神の前にサウルは王として正式に即位し
イスラエルの人々は大いに喜び祝ったのでした

さて、ここからいよいよイスラエルの王政がスタートするわけですが
この11章の出来事を読むと
イスラエルの民の心がすでに神から遠のいていることが分かります
そもそもアンモン人が攻めてきた時
彼らは神の救いを求めてサムエルに頼むといった行動をせず
自らの判断でアンモン人に屈しようとしました
ところがその条件があまりに非情なものだったため
絶望して泣いているところをサウルを通して神が救ったわけです

窮地に陥った民は
サウルの呼びかけに対して
神への畏敬の念でもって奮起しました
彼らはサウルを恐れたのではなく
全能の神の力を恐れ敬ったのです

わたしたちの人生には思わない事が起こるもので
悪意のある人たちに攻められることもあるでしょう
しかし信仰者はそのような人を恐れないで
全能の神の力を恐れ、奮い立って戦わなくてはなりません
人を恐れて媚びたり、迎合したりでは
このような問題は深刻になるばかりです

いつの世の中にも
自分が一番でないと気が済まない人がいて
そういう人は自分自身が王になっている人ですから
自分の考えが常に正しく
自分のことしか考えず
常に自分が崇められることを求めて和を乱します
このように自分が王になっている人は神を恐れておらず
脳内変換をして真実も簡単に曲げるのです
そして
わたしたちにとって恐ろしいのは
自分自身がそうなっていくこと
何より神が恐ろしくなくなったら
自分が間違っていることすら認めることができません

サウル王はアンモン人を破ったことで
正式に王として民に認められました
しかし、王を立てることが神に反対されたことに変わりはありません
神のあわれみによって彼らは勝利しましたが
その歩みが正しいわけではないのです

今までにもくり返して述べているように
信仰者の心に神がいなくなり
自分の思いがそこを統治するようになれば
自ずと間違いが起きてきます
人間は弱く、完全ではありませんから

生れてこのかた、人はそれぞれ色んな環境で成長してきましたが
どんな人でもいつかは死ぬことが決まっていて
人の壮大な計画があろうとも
すべては神の采配によって決められることです
そんな全能の神は
神を愛し恐れる人に決して恥をかかせる方ではありません
だからこそ
神に従う信仰者は、正直な歩みを心がけ
もし間違ったらごまかすのではなく
反省しながら自らを整えていきましょう
それもまた神を恐れていればできること
これを聖書では「おのれに死ぬ」と表現しています

人間の王がどんなに弱い者であるかは
この後サウルの王としての短い生涯を通して教えられていきます
そんな彼も最初は神の霊に満たされて正しい判断をしていましたが
そのうち自分の考えが第一となっていくのでした
わたしたちも
それぞれ自分の考えが王になると
神の祝福の道からそれていきます
そうならないためにも
神への畏敬の念を第一として
自らを律していくことができますように



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