今週のみことば


9月10日


「ダビデはそこを出て、アドラムの洞窟に難を避けた
それを聞いた彼の兄弟や父の家の者は皆、彼のもとに下って来た
また、困窮している者、負債のある者、不満を持つ者も皆彼のもとに集まり
ダビデは彼らの頭領になった
四百人ほどの者が彼の周りにいた」
(サムエル記上22章1-2節)

ガトの王アキシュのところを出たダビデは
アドラムの洞窟にたどり着きました
そこへ彼の家族以外にも、様々な問題を抱えた人々が集まってきて
ダビデはこうして集まった総勢400人のリーダーになります

その後ダビデは両親をモアブの王のところに置いてもらい
サウルの攻撃に備えて要害に立てこもっていました
その地は攻めるにも守るにも有利な場所でしたが
預言者ガドが来て
『要害にとどまらず、ユダの地に出て行きなさい』と告げると
ダビデはその言葉に従ってハレトの森に出て行きます

すると、ダビデが姿を現したとの情報がサウルに入りますが
サウルの家臣は、これまで
ヨナタンとダビデがつながっていることもサウルに知らせず
ダビデについての情報を耳に入れるものが居なかったので
サウルは大いに怒りました

ここで出てきたのがエドム人ドエグです
彼はダビデが祭司アヒメレクのところでパンとゴリアテの剣を手に入れたことを
サウルに告げます
それを聞いたサウルはすぐにアヒメレクとその一族を呼び出し
なぜダビデに加担したのかと問い詰めますが
アヒメレクは毅然として言い逆らったので
サウルは祭司であるアヒメレク一族を皆殺しにしたのでした

その中でただひとり生き延びたアヒメレクの息子は
ダビデのもとに逃れます
ダビデは自分のためにアヒメレク一族が犠牲になったことを嘆き
残された息子に対して以下のように約束しました
『わたしのもとにとどまっていなさい。恐れることはない
わたしの命をねらう者はあなたの命をもねらう
わたしのもとにいれば、あなたは安全だ』(23節)


さて、21章において
一人でサウルのところから逃げ出したダビデでしたが
ガトの王アキシュのもとを逃れ、アドラムの洞窟に落ち着いたところで
ダビデを慕って400人の人々が集まってきました
そこには親族の他に
”困窮している者、負債のある者、不満を持つ者”といった
サウルの政権下では生きていけない人々が集まっており
彼らは後々、ダビデの勢力の中心となっていきます

こうしてダビデの元には彼の人望で人が集まってきました
集まった人々が全員信仰を持っていたわけではないとしても
その人望は、ダビデの持つ堅い信仰のゆえであり
彼らは「ダビデのために」
やがては「神のために」という心で一致していくわけです

そして
この心の一致こそが
教会にとっても一番大切なこと
それがあれば牧師と信者の間に信頼関係が生じ
神の前に正しい教会として成長することができるからです

一方、サウルはどのような人の集め方をしたのでしょうか
それは14章に以下のように記されています
「サウルの一生を通して、ペリシテ人との激戦が続いた
サウルは勇敢な男、戦士と見れば、皆召し抱えた」(52節)

このように
サウルは人間目線で物事を考え
即戦力になりそうな力のある者を集めました
しかし、彼には人望がなかったので
息子のヨナタンでさえサウルを見限り
家臣たちもサウルから心が離れていったのです

もし教会が
サウルのように神抜きの人間目線で教会運営を考えれば
人の持つ財力や権力を重要視していくことになるでしょうが
それは
神と共にある正しい教会の姿ではありません

人の力には限りがあると知らないサウルは
人間として力のある人を重んじた
その失敗は
現在においても繰り返される恐れのあることです

王になり、権力におぼれ、傲慢になったサウルには
もはや神は共になく
更には悪霊までついて、彼は狂っていきました
そのために
祭司の一族を皆殺しにするなど
どこまでも堕ちて行くのです

最初は色々雑多な人が集まっていても
神への信仰による一致で
しっかりとした王国の基盤を築いていくダビデと
神を忘れ、人間の力を頼みとし
王としての信頼を失っていくサウルの違いは
指導者がどうあるべきかを物語っています

わたしたちは信仰者であっても
人生がみんな上手くいくわけではありません
そんな中で、すべてのことが上手くいくと
かえって物事がわからくなり
弱い人の気持ちも理解できない人になっていきがちです

教会においても
大きな奇跡を体験した人が信仰があるかというとそうでもなく
感謝も長続きしない場合が多いのです
そして
神への感謝を忘れると
自分では気づかないうちに傲慢な人になって
神からの恵みもなくなっていくのでした

ですから
人生にどんな嫌なことがあったとしても
自暴自棄になって、無茶な歩みをするのではなく
祈って冷静になり、神の言葉に従う信仰を持っていきましょう

ダビデは悪いこともしていないのにサウルから追われ
せっかく潜んでいた要害からも出て行くようにと
預言者から指示された時には、その言葉に従いました
出て行けばすぐに見つかってしまうと分かっていても
神の言葉に従おうとするダビデには
いつも堅い信仰が見えています
そして
その信仰が彼を支え、彼の自信となっているので
アヒメレクの息子にも
「わたしのもとにいれば、あなたは安全だ」
自信を持って言ったのです

”神と共にある自分が、悪から滅ぼされるはずがない”
色んなことで弱気になることはあっても
わたしたちもこの信仰に習い
前を向いて進んでいきましょう



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