今週のみことば


1月28日


「ナタンはダビデに向かって言った
『その男はあなただ
イスラエルの神、主はこう言われる
”あなたに油を注いでイスラエルの王としたのはわたしである
わたしがあなたをサウルの手から救い出し
あなたの主君であった者の家をあなたに与え
その妻たちをあなたのふところに置き
イスラエルとユダの家をあなたに与えたのだ
不足なら、何であれ加えたであろう
なぜ主の言葉を侮り、わたしの意に背くことをしたのか
あなたはヘト人ウリヤを剣にかけ、その妻を奪って自分の妻とした
ウリヤをアンモン人の剣で殺したのはあなただ
それゆえ剣はとこしえにあなたの家から去らないであろう
あなたがわたしを侮り
ヘト人ウリヤの妻を自分の妻としたからだ”』」
(サムエル記下12章7-10節)


前回の11章には
ダビデが部下ウリヤとその妻に対して行った罪について書かれていましたが
今回の12章では、その罪に対する神の裁きが記されています

ウリヤを戦いの激しい最前線に送り、殺させた後
ダビデはウリヤの妻を自分の妻にしました
そこへ預言者ナタンがつかわされ、ある話をダビデに語ります

ある町に裕福な男と貧しい男が住んでいた
裕福な男はたくさんの羊や牛を持っていたが
貧しい男は一匹の雌羊だけを持っており
彼はその小羊を娘のように大変可愛がっていたのに
裕福な男がその小羊を取りあげて
自分の客人のために料理してしまった

このひどい話を聞いてダビデは怒り
『そんなことをした男は死罪だ』と言いますが
ナタンは『その男はあなただ』と告げるのです
ナタンは続けて神の言葉を語りました
そもそもダビデをイスラエルの王としたのは神ご自身であり
神がダビデを守り
彼を王宮に住まわせ
妻たちを与えて
ダビデに不自由のない生活をさせてきたのです
こんなに多くのものを与えられながら
ダビデは他人の妻に手を出し、夫を殺した
これは”神の言葉を侮り、神の意に背く行為”です
神はそれを許さず
今後ダビデの家に戦いが絶えないことや
ダビデ自身は死から免れるが
ウリヤの妻バト・シェバから生まれる第一子は必ず死ぬと預言されました

その後、ウリヤの妻が生んだダビデの子は弱っていき
ダビデは懸命に神に祈りますが七日目に死んでしまいます
すると
それまで食事もせず必死にひれ伏して祈っていたダビデは
地面から起き上がり、身を洗って礼拝した後、食事をしました
その様子を見て家臣たちは驚きましたが
神が定めたことがなされた事について
ダビデはこれ以上嘆くことをせず
前を向いて進み始めたのでした
そして
ダビデとバト・シェバの間にやがてソロモンが誕生します

さて、神についてよく知っているはずのダビデが
なぜあのような過ちを犯し
しかもナタンから追及されるまでは悔いる様子もなかったのは
本当に不思議なことと思われますが
人間とはついそのようになってしまう生き物なのだと
ここで改めて教えられます
今やイスラエルとユダの王として君臨し
何不自由ない恵まれた状態に置かれたダビデにも
いつの間にか心のうちに隙ができて
”神の言葉を侮り、神の意に背く”という思いが生れていました
人間がそのような状態になって一番困るのは
サタンが神をののしる絶好の機会を与えてしまうということ
もしクリスチャンであるわたしたちが恥ずかしい行動をすれば
神ご自身に恥をかかせることになるわけです

ナタンのたとえ話を聞いた時には「他人事」と思っていたダビデは
それは自分のことだと指摘されて
はじめて自分の犯した罪の大きさに気づきます
その後はどんなに祈っても神の計画は変わらず
バト・シェバが生んだダビデの子どもは死んでしまいますが
そのことについて神を恨んだり
いつまでも気持ちを引きずったりはしませんでした

パウロがイエスご自身から捕えられて目が見えなくなり
その後、信仰観も生き方も変えられた事について
パウロはそれを「神の恵み」によるものと言っているように
人間は色んな出来事を通して変わることができます
ダビデは自らの過ちにより深い悲しみを経験し
その出来事を通して
もう二度と同じ過ちを犯さないように変わっていきました

わたしたちにとって様々な試練が来る時には
それがどんな事であっても
そこを「神に立つ機会」としていくことが大切です
そうしようと努力する者に神は働き
自分の力では変えることのできない自分という人間も
良い方向へと変えてくださるからです

人生は戦いの連続だとしても
その中で情けないとか腹が立つとか色々思いはあるとしても
それでもすべてを神にゆだねて立ち上り、進んでいく努力をしましょう
それが「神にまかせて従う人生」です
もし神にまかせないなら
嘆きや怒りが高じて人への八つ当たりになったり
恥ずかしい行動になったりもします
わたしたちの心の葛藤については
神がすでにご存じであることを信じて
どんな時も前を向いて進んでいきましょう



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