今週のみことば
6月10日
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「ソロモン王はファラオの娘のほかにもモアブ人、アンモン人
エドム人、シドン人、ヘト人など多くの外国の女を愛した
これらの諸国の民については
主がかつてイスラエルの人々に
『あなたたちは彼らの中に入って行ってはならない
彼らをあなたたちの中に入れてはならない
彼らは必ずあなたたちの心を迷わせ、彼らの神々に向かわせる』
と仰せになったが
ソロモンは彼女たちを愛してそのとりこになった
彼には妻たち、すなわち七百人の王妃と三百人の側室がいた
この妻たちが彼の心を迷わせた
ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ
他の神々に向かわせた
こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり
自分の神、主と一つではなかった」
(列王記上11章1-4節)
神の知恵を与えられ
多くの富も栄光も手にしたソロモンでしたが
彼には弱点がありました
それがこの「女性問題」です
この当時、王が妻をたくさん持つことは
別に悪いことではありませんでした
ダビデも多くの妻をもっていましたし
そのこと自体は問題ではないのですが
終生イスラエルの神に仕えたダビデと異なり
ソロモンは
自分が愛した女性たちの神々を拝するようになっていくのです
そもそも
イスラエル人がエジプトを出てカナンの地に入ったとき
カナンの地に住む人々と婚姻関係を結んではならない
との戒めがあったにもかかわらず
イスラエル人は先住民と交わっていきました
それから長い年月がたった後
ソロモンも同じ過ちをおかし
”彼らは必ずあなたたちの心を迷わせ、彼らの神々に向かわせる”
との預言どおりになっていきます
こうして
ソロモンほどの知恵者はいないと
世にその名を残したソロモンも
女性のことになると非常に弱く
自分が何をしているのかもわからなくなり
神に対する大きな裏切り行為を繰り返しました
戦いに明け暮れたダビデの時代には
ただひたすら神の助けを求めていたのに
平和で豊かな時代が来ると
神の恵みを忘れて自分の欲に走るソロモン
その姿は人間の弱さをそのまま表しており
自分の弱さによって信仰も揺らいでいくことが
ここで教えられるのです
わたしたちも困った時には神にすがろうとするでしょう
しかし
問題が解決し、自分の身が安泰だと思った時
その心はどこに向くのでしょうか
心が神から離れれば
当然、神のことはどうでもよくなって
自分の欲を求めるようになるのが人間です
ソロモンの場合は女性に弱いところが弱点でしたが
人それぞれ弱点は異なるにしても
みな弱い部分を持っていることに変わりはありません
そして
その弱点のために
人生が変わってしまうこともあるのです
ソロモンは自分の弱さゆえ
神が一番嫌うことをして
イスラエル王国が崩れる元を作ってしまいました
ですから
わたしたちも自分を省みて
何をしているのかをよく考え
自分にとって「一番弱い部分」は何かを考えてみましょう
その弱い部分は
言いかえれば「神よりも大事なもの」
すなわち
わたしたちの心を神から離れさせるものです
お金や物がたくさんあることで
あるいはそれを求めることで心迷い
それらが偶像になって
物事を正しく見ることができなくなることもよくあります
そして
お金や人の力を第一とする
間違った考え方が捨てられなければ
やがて墓穴を掘ることにもなりかねません
わたしは大丈夫だと思っている人も
自分の力で弱さを克服することは難しく
だからこそ人には救いの道があって
救われてなお残る自分の弱さと戦うために
神の助けと導きが必要になります
信仰生活は
この戦いの繰り返しであり
各々の弱さから立ち直るために
神の前に己を低くして
ただその心をまっすぐに神に向けることが大切です
神よりも女性が大事になってしまったソロモンは
神のことが分からなくなっているのに
自分では分かっていると思っていたことでしょう
その信仰が崩れていく現実には
本人は気付かないものなのです
”こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり
自分の神、主と一つではなかった”
信仰者にとって一番恐いのは
真の神がわからなくなることです
せっかく神の恵みを受けながら
それを自ら台無しにすることがありませんように
感謝を忘れず
その心が神から離れないように注意して歩んでいきましょう
<目次