今週のみことば


6月17日
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「ソロモンの心は迷い、イスラエルの神、主から離れたので
主は彼に対してお怒りになった
主は二度も彼に現れ
他の神々に従ってはならないと戒められたが
ソロモンは主の戒めを守らなかった
そこで、主は仰せになった
『あなたがこのようにふるまい
わたしがあなたに授けた契約と掟を守らなかった
ゆえに、わたしはあなたから王国を裂いて取り上げ
あなたの家臣に渡す
あなたが生きている間は父ダビデのゆえにそうしないでおくが
あなたの息子の時代にはその手から王国を裂いて取り上げる
ただし、王国全部を裂いて取り上げることはしない
わが僕ダビデのゆえに、わたしが選んだ都エルサレムのゆえに
あなたの息子に一つの部族を与える』」
(列王記上11章9-13節)

11章4節に
「ソロモンが老境に入ったとき、彼女たちは王の心を迷わせ
他の神々に向かわせた
こうして彼の心は、父ダビデの心とは異なり
自分の神、主と一つではなかった」

と記されているように
神の知恵を与えられたソロモンも
女性に惑われて、その心は偶像へと向かい
それが改められることはありませんでした

そんなソロモンに神は2度も現れたとありますが
それでも彼は従わなかった
ふつう神が直接現れれば、誰でも信じるだろうと思うのですが
現実には、人の心はそう簡単には変わらないようです

このソロモンの心理は
わたしたちの心のひな形です
人は自分の思いを優先し
神が正しい道へと導こうとしていても
そこが気にいらない道なら従おうとはしません
こうして
神の言葉も気に入ったものだけを受け入れる
それが人間の弱さです
そして
その弱さを克服し、正していくために必要なのが信仰であり
自分の思い通りに物事が進まない時も
神の導きがどこにあるのかを冷静に考え
その状態を受け入れて行くことは
信仰なくしてはできないことでしょう

しかし
ソロモンは父ダビデのようには
最後まで神に従い尽くすことのできない王でした
そのため
2度も忠告されてなお従わなかった彼には
最後に王国分裂という未来が待っていました

そのことを神は直接ソロモンに宣告した後
ソロモンに敵対する人々をおこし
ソロモンの存命中ずっと彼を悩ませます

また神は
イスラエルの民の中からソロモンに反旗をひるがえす者をおこし
預言者アヒヤを通して
このヤロブアム(ヤラベアム)に
イスラエル12部族の中の10部族を与えるのでした

「わたしは彼の息子の手から王権を取り上げ
それを十部族と共にあなたに与える
彼の息子には一部族を与え
わたしの名を置くためにわたしが選んだ都エルサレムで
わが僕ダビデのともし火が
わたしの前に絶えず燃え続けるようにする」(35-36節)

こうしてソロモンは
エルサレムで全イスラエルを40年間統治し
先祖と共に眠りにつきました
その後はソロモンの子レハベアムが王となります

ソロモンは神が一番嫌うことをしてその怒りを買い
イスラエル王国はこれから分裂していくわけですが
それに際して神は
イスラエルの中から敵対する者(ヤロブアム)をおこしました

このヤロブアムは
元はソロモンに仕えていた有能な人物であり
神から選ばれてイスラエル10部族を統治する王になれと言われます
彼にもまた、それまでの王たちと同様に
神に対する忠誠が求められました

ソロモンに敵対する存在として
身内のイスラエルからヤロベアムが出てきたように
人の内側から「自分の思い」という敵がおこされると
そこには多くの戦いが起こります

人にとって自分の人生が面白くなくなる原因には
自分勝手な想像によるものが多く
外部から来る敵よりも
この内側から人を惑わしてくる敵に人は弱いものなのです

このように
自分勝手な思想によって
自分自身が不安になったり、おかしくなったりするため
わたしたちには常に神の導きが必要なのですが
神の導きが目の前にあったとしても
自分の思想が強いとそれも見ることができません

人生は何でも自分の思い通りになるわけではないことを知り
その上で神がどのように導いてくださるのかを見極めるために
置かれたところで自分のするべき最善を尽くして
成ってきた結果を受け入れていきましょう
それが神の導きに従う
神に喜ばれる生き方です

つまらない意地を張らないで
小さな事を喜んで
神にあっての幸せを感じていく人生であるなら
それは華やかなものではなくても
本当の喜びと平安を与えてくれます

ソロモンの間違いを通して
信仰者は本来どうあるべきなのかを学び
各々の人生に生かしていくことができますように



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