今週のみことば


7月15日
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「それを聞いたエリヤは畏れ、直ちに逃げた
ユダのベエル・シェバに来て、自分の従者をそこに残し
彼自身は荒れ野に入り、更に一日の道のりを歩き続けた
彼は一本のえにしだの木の下に来て座り
自分の命が絶えるのを願って言った
『主よ、もう十分です
わたしの命を取ってください
わたしは先祖にまさる者ではありません』
彼はえにしだの木の下で横になって眠ってしまった
御使いが彼に触れて言った
『起きて食べよ』
見ると、枕もとに焼き石で焼いたパン菓子と水の入った瓶があったので
エリヤはそのパン菓子を食べ、水を飲んで、また横になった」
(列王記上19章3‐6節)

バアルの預言者との戦いに勝利したエリヤが
彼らを全員捕えて滅ぼしたことが王妃イゼベルの耳に入ると
イゼベルはエリヤを殺すと宣告しました

バアルの預言者450人に対して
一人で戦ったエリヤでしたが
ここではその時の勇ましい彼の姿はなく
イゼベルを恐れてただ逃げ出すのでした
そして荒れ野に入り
『わたしの命を取ってください』と神に願います
そんな弱気なエリヤに対して
神は御使いを送り
パンと水で彼を養います

御使いは二度目にエリヤに食べ物を持ってきた時
『起きて食べよ
この旅は長く、あなたには耐え難いからだ』(7節)

と告げました
食べて飲んで元気になったエリヤは
40日40夜歩き続けてホレブの山にたどり着き
そこで神の言葉を聞きます

『エリヤよ、ここで何をしているのか』と問われ
エリヤは
神を信じてここまで仕えてきたけれど
イスラエルの人々は神を捨ててしまうし
神の預言者はみんな殺されて自分一人しか残っていない
そして
その自分もまた命をねらわれている・・・と
絶望的な心境を神に述べています
それに対して神の答えは
『そこを出て、山の中で主の前に立ちなさい』
というものでした

その時
神が通り過ぎ
激しい風と地震と火が起こりました
しかし
風の中にも地震の中にも火の中にも神はおられず
火の後に静かにささやく声が聞こえました
『エリヤよ、ここで何をしているのか』

神の質問に対して
エリヤは以前と同じ絶望的な心境を述べています
すると
神は彼がこれからなすべきことを告げました

『行け、あなたの来た道を引き返し
ダマスコの荒れ野に向かえ
そこに着いたなら
ハザエルに油を注いで彼をアラムの王とせよ
ニムシの子イエフにも油を注いでイスラエルの王とせよ
またアベル・メホラのシャファトの子エリシャにも油を注ぎ
あなたに代わる預言者とせよ
ハザエルの剣を逃れた者をイエフが殺し
イエフの剣を逃れた者をエリシャが殺すであろう
しかし、わたしはイスラエルに7千人を残す
これは皆、バアルにひざまずかず
これに口づけしなかった者である』(15‐18節)


その後エリヤは
神の言葉に従って行動し
エリシャを自分の後継者としました

さて
このエリヤの一連の行動を見ると
どんなに勇ましく見える人であっても
人間には「弱さ」があることが分かります

先の見えない絶望感に襲われ
もう死んだ方がましだと思うエリヤ
それでも
彼の思いとは別の所に神の計画はあり
その計画が成就するために
以前はカラスを用いてエリヤを養った神は
今度は御使いを通して食べ物を運ばせます

どんな厳しい所に置かれても
必ず神の助けがある
もう死んだ方がましだと思っていたエリヤも
食物と水を与えられると元気になり
神の声に耳を傾け
前を向いて進み始めます

途中には大風や地震や火が起こりましたが
その中に神はいませんでした
人間は問題が起こると不安になって心がざわつきます
その時に大切なのは
落ち着いて「神の静かにささやく声」に耳を傾けること
しかし
自分の心が騒がしいと
真理の声は聞こえません
心の中が「自分の思い」でいっぱいだと
真理(=神)を受け入れられないからです

「自分の思い」とは
絶望したエリヤのように
「もうダメだ」と人生をあきらめてしまったり
反対に
自分に変な自信をもち
「どうだすごいだろう」と自分の栄光を求めたりといった
「神に喜ばれない思い」です

神の業はパッと派手なこともありますが
ほとんどは地味で頼りなく思えることも多く
それでも
わたしたちを確実に幸いに導くことは確かです

そこに目を留めている人にとっては
ハレルヤ!(神に栄光あれ)ということが日々起こり
人生の土台は神にあるのだと知るでしょう

もう死んだ方がましと思ったエリヤには
まだ多くの使命がありました
だからこそ彼は生かされ、養われ
神の言葉に従って
逃げてきた道を引き返し
堂々と神の預言者としての務めを果たします

こうして
神の言葉に従った先に何があるのか
その助けの数々を実際に見れば
エリヤも自分にはまだ使命があって
神の栄光のために生かされていることを実感したでしょう
それでも
行動するには勇気がいります
そんなエリヤに神は
”バアル(偶像)信仰をしない者を7千人残している”
と、あらかじめ教えました

自分は決して一人ではない
敵(問題)は多くても希望もある

クリスチャンはみなエリヤと同じく
神の栄光のために生かされていますから
それぞれが置かれたところで問題に向き合い
心を落ち着かせ
自分は今ここで何をなすべきかと神に問い
その導きに従っていきましょう



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