今週のみことば


7月4日

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「このようにわたしが言うのは
あなたがたのためを思ってのことで
決してあなたがたを束縛するためではなく
品位のある生活をさせて
ひたすら主に仕えさせるためなのです」
(コリント人への第一の手紙7章35節)

7章は
「結婚するのは良いか悪いか」という質問に
パウロが答えている章です
ここでパウロはあくまでも個人の意見として
自分のように結婚しない方が良いと言っています
それは
結婚している男女は
夫や妻を喜ばせることを第一に考え
神に対する思いが二の次になってしまうから・・・
とはいえ
聖書に結婚の良し悪しについては線引きされていません
結論としては
結婚してもしなくても自由です
そして、重要なのは
結婚してもしなくても
神を愛し
信仰者として”品位のある生活”をすることなのです

続く8章には
「偶像に備えられた肉を食べて良いか悪いか」
という質問に対しての答えが記されていますが
ここも結論から言えば
食べても食べなくても自由です
ただし
自分の自由なふるまいが
他の信仰者のつまづきにならないように
気をつけなくてはならない
6章に記されていたように
わたしたちは何をしても自由で
すべてのことは許されていても
すべてのことが益になるわけではありません
ですから
神の前にどうすることが益になるのか考え
信仰者として”品位のある生活”をすることを心がけて
自分の言動には注意していかなくてはならないわけです

コリントの教会の人々は
「結婚するのは良いか悪いか」
「偶像に備えられた肉を食べて良いか悪いか」
といった目先の問題に心を奪われ
何かと議論になっていたようですが
そういう掟のようなことよりも
もっと大切なことがあるとパウロは説いているのです

「偶像に備えられた肉について言えば
『我々は皆、知識を持っている』
ということは確かです
ただ、知識は人を高ぶらせるが
愛は造り上げる
自分は何か知っている思う人がいたら
その人は
知らねばならぬことをまだ知らないのです
しかし、神を愛する人がいれば
その人は神に知られているのです」

(コリント人への第一の手紙8章1-3節)

偶像とは何か?といえば
4節以降に
世の中に偶像の神などはなく
唯一の神以外にいかなる神もいないこと
世の中に神々と呼ばれるものがいても
わたしたちには天地創造主である唯一の神
すなわち主イエス・キリストがおられ
万物もわたしたちもすべてこの主によって存在している
と記されているように
この知識を持っている人は知っていることです
ただし
知識を持っていることで
「わたしは知っている」と思えば
それは単に人を高ぶらせるだけです
一方
その対極にある言葉として
「愛は造り上げる」
文語訳では
「愛は徳を建つ」と記されています
「徳」とは人に備わる「品性」のこと
つまり
コリントの教会の人々は
知識をもって議論し
兄弟間で争いを起こすよりも
お互いの間に平和が訪れるように
神を愛し
神にある品性を大切にして
お互いの信仰の向上を
目指していかなくてはならないのです

「このようにしてキリストに仕える人は
神に喜ばれ
人々に信頼されます
だから
平和や互いの向上に役立つことを
追い求めようではありませんか」
(ローマ人への手紙14章18‐19節)


さて
「偶像に備えられた肉を食べて良いか悪いか」
という問題について
パウロは8節以降に明確に記しています

「わたしたちを神のもとに導くのは
食物ではありません
食べないからといって
何かを失うわけではなく
食べたからといって
何かを得るわけではありません
ただ、あなたがたのこの自由な態度が
弱い人々を罪に誘うことにならないように
気をつけなさい」

(コリント人への第一の手紙8章8‐9節)

偶像に備えられた肉を食べたからといって
何の影響もありませんが
だからといって
わざわざ偶像の神殿で食事をするというのは
偶像に関する知識を持たない人から見ると
信仰のつまづきの元となります
つまり
気をつけなくてはならないのは
何を食べるかではなく
自分の行動によって
周りがどのように影響を受けるか
そこに配慮しなくてはならないわけです

パウロは
コリントの教会を
神の愛をもって導いてきましたが
コリントの人々は
パウロの語る言葉の真意を聞き取ることができず
常にだれかを裁いてもめていました
このような争いごとを極力避けるようにする
そのために必要なのが
神の愛からくる「品性」です

信仰の弱い人を思いやり
人を滅ぼしてしまわないように
パウロは配慮しながら
コリントの教会が正しく変わっていくよう
ひとつひとつの疑問に丁寧に答えています

人は自分一人で生きていくことはできません
教会であれ
家庭であれ
社会であれ
そこが平和であるために必要なのは
神と共に生き
神にある愛(品性)をもって
お互いを思いやって生きていくことです



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