今週のみことば


1月30日

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「人々からでもなく、人を通してでもなく
イエス・キリストと
キリストを死者の中から復活させた父である神とによって
使徒とされたパウロ
ならびに、わたしと一緒にいる兄弟一同から
ガラテヤ地方の諸教会へ」
(ガラテヤ人への手紙1章1‐2節)


パウロは「12使徒」の一人ではありませんが
人からではなく、神ご自身から使徒とされたことをまず強調して
ガラテヤ人への手紙は始まります

この世の悪からわたしたちを救い出そうとして
ご自身をわたしたちの罪のためにささげるため
神が人の肉体をもって生まれたキリストは
十字架にかかって死に、よみがえり
万民に救いの道を開いて
キリスト者として生きるように
キリストの福音を示してくださいました
その御言葉は
滅んでいく人には愚かと思えることであっても
救われる者には神の力となって
その人を活かしてくださるものです

このキリストの福音は
最初はキリストの言葉から出たものですが
やがてその福音は変えられて
人を惑わしていきました

「キリストの恵みへ招いてくださった方から
あなたがたがこんなにも早く離れて
ほかの福音に乗り換えようとしていることに
わたしはあきれ果てています
ほかの福音と言っても
もう一つ別の福音があるわけではなく
ある人々があなたがたを惑わし
キリストの福音を
くつがえそうとしているにすぎないのです」(6‐7節)


この福音は
いわゆる”宗教にのぼせる”というものではなく
キリストに救われ、信頼し、力を与えられ
その信仰生活の積み重ねによって
各々が強められていく地味なものですが
何か目新しいことで人の気を引き
人の心を惑わす”異なる福音”の信仰が
ガラテヤの諸教会では蔓延していたようです

「しかし、たとえわたしたち自身であれ
天使であれ
わたしたちがあなたがたに告げ知らせたものに反する福音を
告げ知らせようとするならば
呪われるがよい」(8節)


ここまでパウロがはっきり言いきるのは
彼自身がこの福音を
人からではなく
イエス・キリストの啓示によって知らされたからです(12節)

「啓示」あるいは「黙示」とは
神が人知を超えた真理や神秘を人に示すこと
その啓示を受けたパウロにとって
福音を曲げる存在があることは許しがたく
それに惑わされる人々があることも
実に情けないことなのでした

13節からは
パウロがかつて
徹底的に神の教会を迫害し
滅ぼそうとしていたことを
自分の出自と共に告白しています

パウロの経歴については
ピリピ人への手紙3章に詳しく記されていますが
彼がかつてどれほど熱心なユダヤ教徒であったか
そしてそのことを誇りに思っており
自分の生活においては
それが有利であったにもかかわらず
キリストに捕らえられることによって
それまで有益だと思っていたものが
みな無益で、損失とさえ思うようになった
それほどパウロは
キリストによって変えられたのです

そのように自分が変えられるにあたり
パウロは親族にも相談せず
ただ神の啓示に従いました
そして
その変わり様はユダヤのキリスト教会の人々を驚かせ
その事によって
人々は神をほめたたえたのでした

「ただ彼らは
『かつて我々を迫害した者が
あの当時滅ぼそうとしていた信仰を
今は福音として告げ知らせている』と聞いて
わたしのことで神をほめたたえておりました」(23‐24節)


こうして福音の真意を知り
信仰の核心をつかんだパウロは
人々を真理から離そうとする力が働いていることを憂い
この手紙をもって説得を始めます

そこに記されているのは
現代の教会にも同じことが起こることへの警鐘であり
わたしたちも何か目新しいものに惑わされないように
キリストの福音の真意を
つかんでいかなくてはなりません

この信仰は
何か難しいことを求められるわけでもなく
無理を強いられるものでもありません
信仰は
心から神を求めることで
そこで与えられる恵みにより
感謝のうちに育っていくものです

そんな地道な信仰生活を通して
わたしたちの持つ弱さが強められていくなら
その変化を人々が見て
神の存在を知ることになるでしょう



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