今週のみことば


11月25日

「モーセは彼らに言った
『だれも朝までそれを残しておいてはならない』
しかし彼らはモーセに聞き従わないで
ある者は朝までそれを残しておいたが
虫がついて臭くなった
モーセは彼らに向かって怒った」
(出エジプト記16章19-20節)



カナンの地を目指してエジプトを出発したイスラエルの民は
後を追ってきたパロの軍勢から
紅海が分かれる奇跡によって逃れることができましたが
神に対する感謝の心は長くは続かず
すぐに
水がない、肉がない、パンがない
エジプトにいたほうがマシだった・・とつぶやき始めます

「そのとき主はモーセに言われた
『見よ、わたしはあなたがたのために、天からパンを降らせよう
民は出て日々の分を日ごとに集めなければならない
こうして彼らがわたしの律法に従うかどうかを試みよう
六日目には、彼らが取り入れたものを調理すると
それは日ごと集めるものの二倍あるであろう』」(4-5節)


こうして彼らには
日々の糧として天よりのパンが与えられることとなりました
しかし
それぞれ一日の分を集めたら
『だれも朝までそれを残しておいてはならない』
と定められているにもかかわらず
そのことばに従わない者も出てきます
そして
朝まで残しておいたパンは虫がついて臭くなってしまいました

また
六日目には二倍のパンを集めて
安息日に備えることが定められていましたが
パンの降らない七日目にも出て集めようとした者がありました

つぶやく民、従わない民
そんな彼らにも神は恵みを与え
天から降るパンは
多く集めたものも少なく集めたものも過不足がないように
ちょうどよく彼らを満たしました

このように
日々ちょうどいいパンが与えられるにもかかわらず
それを朝まで残しておく者があるのは
明日のことを心配するからでしょう
明日のためにパンを残すのではなく
明日のことは神にゆだねるのが信仰です

パンを明日まで残してはならないとの律法を守るのは
決して難しいことではないはずですが
自分の内側から湧き出る不安と戦うのは難しく
それはわたしたちも同じこと
だからこそ
こうしてみことばによって教えられ
不安に押しつぶされるのではなく
日々を神にゆだねて信仰に生きることを学ぶのです

明日のために人が出来る備えは限られています
また
人がいくら労しても
その労が報いられなければこれほど空しいことはありません
七日目にパンを求めて出て行った人は
何も得ることが出来ませんでした
これもまた
ただ単に六日目に二日分集めておくという
単純な律法に従わなかったからです

「あなたのあがない主、イスラエルの聖者
主はこう言われる
『わたしはあなたの神、主である
わたしは、あなたの利益のために、あなたを教え
あなたを導いて、その行くべき道に行かせる
どうか、あなたはわたしの戒めに聞き従うように
そうすれば、あなたの平安は川のように
あなたの義は海の波のようになり
あなたのすえは砂のように
あなたの子孫は砂粒のようになって
その名はわが前から断たれることはなく
滅ぼされることはない』」
(イザヤ書48章17-19節)


神の戒めに従う者は
このように幸いな道が与えられるとあります
神に反していたのでは
神の喜ばれるような実は成らないでしょう

しかしまた
「神に従う」というとを
何か日々の生活をすべて教会によって占ってもらうことのように
勘違いしている人もあります
そういう勘違いを起こさないためにも
聖書に記された神の戒めとは何なのかを
正しく教えられていかなくてはなりません

そして
教えられようとする心をもち
理解しようとその心を開いて
今受け入れるべきものは何なのかを悟り
妙な噂話や妄想で心惑わされることがありませんように
正しい選択をしていきましょう

実のところ
神から来る正しいものほど人は受け入れがたく
内側から湧き出てくる欲の方を受け入れたくなるのが
人間の悲しいところなのです
人生の出会いには幸いなものも不幸なものもあります
そんな中、幸いなものを選択するのは
わたしたち自身の責任だともいえるでしょう

救いにあずかったことは大きな希望ですが
それは世の中の価値観で見た時には大きく膨らみにくく
現実の生活の厳しさばかりが
心の中で膨らんでいくかもしれません
そうすると世の望みを頼りにした方が
希望が膨らみそうな錯覚に陥ることもあります
しかし
不安が生み出す錯覚は
人をしばしば間違った選択へと導いてしまうのです

一方
日々ただ地道に神に従う生活には
必ず幸いがあることが聖書の約束なのですから
やはりわたしたちは迷うことなく
みとこばに従う道を選択していきましょう

「だから、あすのことを思いわずらうな
あすのことは、あす自身が思いわずらうであろう
一日の苦労は
その一日だけで十分である」
(マタイによる福音書6章34節)





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