今週のみことば
6月16日
「ヤコブは言った
『まずあなたの長子の特権をわたしに売りなさい』
エサウは言った
『わたしは死にそうだ
長子の特権などわたしに何になろう』」
(創世記25章31-32節)
狩から帰ったイサクの長男エサウは
次男ヤコブの作っていた豆の煮物が食べたくて
ヤコブに長子の特権を売る約束をしてしまいました
長子の特権とは
すなわち神の祝福をあらわすものですが
彼にとっては将来のことよりも
目の前の豆のほうが大切だったのです
こうして長子の特権を軽んじたエサウは
父イサクの召される前に祝福を受けるところを
結局ヤコブに先回りされ
目がよく見えなくなっていたイサクは彼がエサウであると思い込み
ヤコブに祝福を与えたのでした
一足違いで父のもとに行ったエサウは
すでに自分に与えられるはずだった祝福が
すべてヤコブに行ってしまったことを知り愕然とします
そしてそのことのためにヤコブを恨みました
このエサウの行動について
へブル人への手紙ではこのように戒めています
「また、一杯の食のために長子の特権を売ったエサウのように
不品行な俗悪な者にならないようにしなさい
あなたがたの知っているように
彼はその後、祝福を受け継ごうと願ったけれども捨てられてしまい
涙を流してそれを求めたが
悔い改めの機会を得なかったのである」
(ヘブル人への手紙12章16-17節)
ヤコブは長い目で将来を見据え
切に神の祝福を求めましたが
エサウは今さえ良ければいいと考えて失敗しました
自分の欲に負けた生き方は
自らの人生を台無しにしてしまうことを
ここでは教えられます
さらにエサウは自分がいったい何をしたのか
その重大な過失に気がついておらず
悔い改めることもなしに
ただヤコブを憎んで殺そうと図りました
聖書には
さまざまな形で神に従わない人逆らう人が登場します
創世記においてカインは
自分が正しいことをしなかった為、神に受け入れられず
その怒りを弟アベルに向けて彼を殺しました
カインはそれでも神の哀れみを受け生かされましたが
彼自身が神に対して悔い改めた記述はありません
イエスを銀貨30枚で売ったユダは
その後お金を捨てますが
悔い改めの言葉を残すことなく
自ら結論を出して死んでいきました
どんな人であっても間違いはあります
欲に負けたり、魔がさしたりということもあるでしょう
しかし
聖書を読む時
本当に神に従って生きようとする人々は
自分の犯した間違いについて必ず神に悔いて祈り
多く許されています
救われて信仰生活を続けているうちには
自分のやっていることはすべて神のみ旨であり
間違いのないことだと勘違いする人も出てきますが
人が物事を神のみ旨かどうか勝手に判断すること自体
自分のやっていることを正当化しようとしているに過ぎず
こういう場合には間違いとわかっても
心から悔い改めることは難しいものです
結局、何が一番重要なのかといえば
いかに神に対して正しい心(良心)をもっているか
あるいはそれを持とうとしているか
日々の歩みを通して自分の弱さや間違いを教えられ
神の前に悔い改める気持ちで歩んでいるかということでしょう
「わたしのこの命令は
清い心と正しい良心と
偽りのない信仰から出てくる愛を目標としている」
(テモテへの第一の手紙1章5節)
「ある人々は正しい良心を捨てたため
信仰の破船に会った」
(テモテへの第一の手紙1章19節)
世の中には
自分の欲を成就させるための手段としての信仰が存在しています
そういう類の信仰は
ただ自分の願いが成ることを目的としているので
”清い心と正しい良心”を育むことが軽視され
表向きの信仰熱心な姿、つまり
いつも礼拝に集っているから
献金や奉仕、伝道活動を欠かさないからということでもって
すでに自分が完全な信仰者となったかのように
勘違いする場合があります
こうなると悔い改めは難しく
自分にとって都合の悪い事態が起こると
人のせいにしてみたり
あるいは聖書のみことばを自分の都合にあわせようと
無理な解釈をしようとしたり
あれが真理これが真理と
人間が作り出したものを真理として
やがて真の信仰からはずれていくのです
神の祝福を逃してしまったエサウは
まず第一に
自分が神の祝福を軽視していたことを悔い改めるべきでした
ここを単なる物語としてみるならば
確かにヤコブの行動は姑息ともとれるでしょう
しかし
聖書のみことばは信仰者が目標に到達するため
何が重要であるかを教える神の言葉です
神に従わない自分を哀れみ
自説を唱えるばかりで
自分のしたことを悔いていないのは
心が神にないからで
そんなエサウの姿から
わたしたちは
自分の間違いと向き合う大切さを学ばなくてはなりません
どのようなところに置かれても
決して心のうちの大切なものを投げ捨ててしまうことなく
神にあって成長していくことができますように
日々祈って進んでいきましょう
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