今週のみことば


9月22日

「時に主はアブラムに言われた
『あなたは国を出て、親族に別れ
父の家を離れ、わたしが示す地に行きなさい
わたしはあなたを大いなる国民とし
あなたを祝し、あなたを大きくしよう
あなたは祝福の基となるであろう』」
(創世記12章1-2節)


まだアブラハムがアブラムと呼ばれていた頃
彼は神の言葉に従って
導かれるまま出て行きました
具体的には行く先がどことも知らされてはいませんでしたが
『わたしはあなたを大いなる国民とし
あなたを祝し、あなたを大きくしよう』

との神の約束が彼の希望のすべてだったのです

生活の基盤を置いて新しい地に出て行くことは
当然不安で離れがたい思いもあるでしょう
それでも神の言葉に従うのは
信仰なくしてはありえないことです

これと同様に
わたしたちが今こだわっている思いや欲
大切だと思って離し難い思想なども
それが神に反するものであるなら
そういうものは置いて
新しい地に出て行かなくてはなりません
しかしまた
それは信仰なくしてはできるものではないでしょう

人はみな生まれた時にはそれぞれ輝く原石をもっていて
成長過程によってその輝きが増す場合と失われる場合があります
神にあって生きることで輝きは増すのですが
クリスチャンという名前だけで輝くのではありません
つまり
何十年という信仰歴がその人を輝かせるのではなく
どういう心で神を見上げているのか
その信仰の本質が重要になるのです

アブラムと行動を共にした甥のロトは
アブラムと同じく神に祝され
たくさんの財産を持つようになりました
しかし
彼の目が本当に神に向いていたかといえば
それはちょっと違っていたようです

アブラムとロトと共に財産が増すことで
両者は共に住むことができなくなりました
やがて彼らが別れる時
アブラムはロトに好きな所を選ばせます
そして彼自身はロトとは反対の方向に進むと宣言しました
すべてを神にゆだねる彼の信仰がここに現れています

選択権を得たロトは
人間的な目で見たところの豊かな地を選択し
天幕をソドムに移します
ソドムの人々は神に対して甚だしい罪びとでしたが
見た目の豊かさに心を惑わされたロトは
ソドムの人々の性格を見抜けなかったのです

その後ロトはソドムの地で不法行為に日々悩みながら暮らし
やがてその地は神によって滅ぼされ
ロトと家族は命からがら逃げだしたのでした

過去にはアブラムと一緒にいることで祝福を得てきたロトでしたが
彼は単にアブラムという人を見ていただけで
アブラムを支える信仰については理解していなかったのでしょう
つまり
アブラムがどう神を見上げて生きているのか
その信仰の本質がわからないまま
ただアブラムの真似をしていたようなものかもしれません

わたしたちが信仰する上においても
他の信仰者が上手くいっているのをみて
その人の行動をただ単に真似することで
自分も祝福を得ようとする場合があります

しかし
神が信仰者に求めるものは
神を絶対者として心から信頼し、寄りすがっていく心です
聖書に登場する信仰者たちは
この神を真に絶対者とするかどうかで祝福の差が現れています
見た目の豊かさではない本当の幸いを求める価値観が
ロトの心には育っていなかったのでした

日々、さまざまな惑わしの中で
右往左往することも多いわたしたちではありますが
今一度、神を本当に絶対者として崇める心を再確認し
世の中を生き抜くための”見る目”を養っていきたいものです




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