いいかげんな話



<6.食品添加物の話>

(このページは、管理人のひとりごと『青春賛歌第二幕〜ダイエットを始めようシリーズ』から抜粋しています)


自分の理想と心地良さのバランス
これを問われるケースは身の周りに案外多い
食の問題で言えば、たとえば「食品添加物」
体に良くないかもしれないとはわかっていても
もはやこれと縁のない生活など考えられないほどに
今やすごい種類の食品添加物が使用されている

昨年、動画サイトで見つけた『食品の裏側』を息子にも見せたが
現在の食品事情はこんなことになっているのかと驚いたり
一方で、こんなに便利な世の中になっているのだから当然かと思ったり
何にしても、全く縁切りするのは不可能だけど
かといって、どうにでもなれ〜というのも短絡的だし
自分なりに許容範囲というものはある程度考慮しつつ
バランスを取っていきたいものだと考えさせられた

『食品の裏側』

↑ここに出てくる、”安くて簡単で便利なミートボール”は
わたしも子どもたちが小さい頃は多用していたし
この開発に関わった食品添加物会社の営業マンであった安部氏(『食品の裏側』の著者)が
添加物まみれのその商品を自分の子どもも食べていることを知ってショックを受け
その後、会社をやめた逸話は印象的だった

特に働くお母さんが増えた1980年代以降は
添加物まみれであろうと
安くて簡単でおいしい食品の存在は欠かせなくなった
仮にそれが安全性に疑問のあるものであったとしても
なくては困るという人がたくさんいるのも事実だ
もし食品添加物が使えなければ
あらゆる加工食品も冷凍食品もコンビニも外食産業も存在できなくなる
更には、家庭で手作りするとしても
食材そのものや、スープや出し汁の素、調味料まで
あらゆるものに食品添加物が使われていることを思えば
家庭で作った食事も決して安心安全とはいえない
今や1300種類にものぼる食品添加物の存在そのものが悪いと言ってしまえば簡単だが
欲しい人がたくさんいるから造り続けている現状について語る安部氏の言葉に
この状況の中で
自分の理想(安全安心)と心地良さ(簡単・便利・安価・美味)とのバランスを取りながら
各々が選択していくしかないのだと
そして、それは各々置かれた立場や事情によって全く異なるであろうこと
決して誰がダメで誰が正しいとか判定ができるものではないことも
色々と考えさせられる

(2013.2.4)


*****

世の中に氾濫する情報をどのように受け止め
どのように自分に活かしていくのかによって
各々の生き方は全く違ってくるが
大切なのは、情報に振り回されないことだろう

例えば、前回書いた「食品添加物」の問題にしても
引用した『食品の裏側』については
その内容が「科学的根拠がない」とか「恐怖感をあおっている」とか
批判的な意見もあるようだ
でもわたしとしては
現在許可されている食品添加物が絶対安全とか危険とか
結局のところ誰にも断定できるものではないと思っているし
仮に人体に影響があるとしても、そこには必ず個人差があるだろう
ここで安部氏が示す情報をどのように受け止めるも
それは個人個人で違う問題になってくると思う
そして、安部氏自身も、自分の本来の目的を以下のように語っている

 『大切なのは、(添加物を用いることの)メリット、デメリットの両方を考えて
  その中で少しでも添加物の入っていないもの、少ないものを選ぶという選択を
  日々していくことにあると思います。
  問題は、消費者がそういった選択ができるよう
  充分な「情報開示」がなされていないという点です』

物事が限度を超えたら、正常範囲内に戻すために「歯止め」が必要になる
限度を超えても「現実を語る情報」がなければ「歯止め」もかけようがない
だからこその情報開示は、どんな分野でも必要なのではないかと思うのだ
その際には、メリットもデメリットも両方とも情報がほしいし
安部氏の話にはその両方が語られているところが良心的だと思う
それによってどの程度の危機感を持つかについては
後はもう個人が自分の場合を冷静に考えて判断すべきだろう

わたしの身近なところでも
一日40本もたばこを吸い続けた人や野菜嫌いで超偏食の人が
元気で長寿を全うするケースもあれば
反対に、自然食にこだわる人がガンになって早世してしまったケースもある

じゃあ、誰もがタバコをいっぱい吸って大丈夫とは思えないし
今回息子も実感しているように
バランスの取れた食事をすると何となく調子がいいというのはあると思う
かと言って、どんなに自然で安全っぽい食品を求めてもキリがなく
それらの食品が体の中でどのように作用するかは未知数だ
何より、そのような食品を手に入れることも
色々と環境が恵まれていなければ難しいわけで、、
そして、あまりにも考え過ぎると人生がだんだん辛くなる
いくら体に良いものを求めても
それが精神的に追いつめられる元となったのでは
かえって健康を害してしまうかもしれない

そういう意味で、色々課題のある「石けん生活」について
次回は書いておこうと思う


(2013.2.6)



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