いいかげんな話



<8.石けん生活の話 2>

前回、石けんに対する思い入れと現実についてふれたが
石けんも合成洗剤も、それぞれにメリットとデメリットがあって
完全に安全で環境に負荷をかけないですむような洗浄剤はないことが
はっきり語られるようになってきている現在では
それを理解した上で、使用する人の体質や生活スタイルによって
「合う」「合わない」を自分の経験に基づいて判断し
無理のない穏やかな暮らしを求めて
各々が選択していけばいいんじゃないかと思っている

一方、「世の中には危ないものが満ちているけれどうちの商品だけは安全!」
と宣伝する業者は後を絶たず
実にまぎらわしい「ニセ科学」というものが消費者の心を惑わしている
安全性というものに人々の関心が集まる中で
科学的根拠は何かとの論争は絶えないけれど
科学云々以前の問題として
何より「良心」が問われる時代になってきたことを実感しつつ
わたしは以下のリンクページを読んだ

「ニセ科学と石けんの諸問題」

ニセ科学について、本文中には
”科学的根拠に乏しい物事に一見科学っぽい衣を着せて人を騙すのがニセ科学です”
と記されている
では、なぜだますのかと言えば、当然そこには「儲(もう)け」の問題があるからだ
(以下本文抜粋)

”「儲かる」という字は「信者」と書きます”

”儲けるために消費者を自分の信者にする
 しかし、その「信者」をどのような方法で獲得するかが
 今あらゆる分野で厳しく問われているのではないでしょうか”

”TV番組しかり、食品製造業しかり、そして石けん会社しかり
 地味で時間がかかっても嘘のない真実を伝えて人心を得るか、それとも――”


新しい、便利なものができた時
そのメリットについては注目されても
デメリットについては、ある程度の時間がたたないと明らかになってこない
すべてのものにデメリットはつきものであると考えれば
後から色々問題点が出ることそのものは自然のことと思うが
デメリットについて隠ぺいすることで
そこに何らかの被害が出る(更に拡大する)のは大きな問題だと思う
その一方で
「うちの洗濯物はどうして黄ばむ?」に記されているように
黄ばみやニオイを解消するアルカリ剤を添加した粉石けんを企業側が売ろうにも
消費者側が「無添加石けん」にこだわる場合
消費者のニーズ(売れる方)を優先してしまうのは
ある程度仕方のないことだろう
そんな企業側の姿勢をさげすむのは簡単だし
その方が一時的には自分が傷つかないけれど
相手が悪いだけでは済まされない問題が世の中には多いのも事実だ

”「どんなときでも無添剤が最高」と信じる方が楽ではありますが
 その代償として洗濯物の黄ばみと臭いを我慢するのと
 ほんの少し努力して正しい石けんの使い方を身につけてトラブルと縁を切るのと
 どちらがより快適かは言うまでもないことでしょう。”(本文より)


これを読んだ時
わたしは今まで石けんの正しい使い方を知らなかったのだと実感し
その後、アルカリ剤である「過炭酸ナトリウム(酸素系漂白剤)」を買ってきた
ちなみに、今回初めて知ったことだが
同じように「酸素系漂白剤」として売られている商品でも
純粋に過炭酸ナトリウムだけで構成されているものばかりではなく
中には、合成界面活性剤などが添加されているものもあるので注意が必要だ
そして、現在わたしは、このアルカリ剤を用いて
石けんも合成洗剤も使用しない「アルカリ洗濯」にチャレンジしている
アルカリ剤だけでは生地が堅くなるので
柔軟剤の代わりにクエン酸と、レモンのエッセンシャルオイル(2滴)も使ってみると
柔らかさはまあまあ、香りの方は洗濯物が乾くとほとんどしなかった
それでも、ちゃんときれいに洗えているし、変なニオイもないし
すすぎは一回ですむし、とりあえず悪くはなさそうに思う
arukari2013211.jpg

石けんとつきあい始めて15年がたった今
こうしてわたしの石けんライフはまた違った方向を見い出しているが
更に思いがけない展開になってきていることについてはまた次回。。


(2013.2.12)



<戻る