◇ケース1
「なんか楽しくないな。」って思うたびに、「あなたが今、考えていることがあなたそのものなんですよ。」って、ずっと昔、とある賢い本に書いてあったのを思い出す。
あっ、そうか・・・ ボクは、「なんか楽しくないな。」って思ってる人間だったんだって、その時、素直に思った。
その賢い本を読んだのは大学生のころ。汚い長屋をベニヤ板で3つに仕切った一番東側の部屋だった。その空間で、ボクは毎日寝転がって過ごしてた。
三年寝太郎とは仲良くやれる気がする。だってボクは四年寝太郎だったから。今思うと、あの頃が一番読書した時期だったななんて思う。
「あんたの部屋には昔、倍賞千恵子が住んでいてね。」って、家賃を持っていくたびに、大家に聞かされた。だけど、なんか信じられなかった。決して倍賞
千恵子が珍しかったというわけではなく、どことなく、大家が胡散臭かったから。それだけ・・・
なんでか知らないけど、今日、仕事から帰って、一杯のヱビスビール(黒)を飲みながら、ふとそんなことを思い出した。
「なんか楽しくないな」っていうフレーズは、「腹が減った。」というフレーズよりは少なく、だけど、「ああ、人はいつか死ぬんだな。」っていうフレーズよりは
ちょっと多いペースで、ボクの頭の中を不定期によぎる。
そんな不定期が、今日またやって来た。
「なんか楽しくないな。」っていう「ボクそのもの」を、それとなく受け入れることが出来ず、ボクはそういう感情を、ヱビスビール(黒)のカラメルチックな甘み
で紛らわしたりしてみる。
「なんか楽しくないな。」っていう感情は、決して強烈なものではないから、そんな行為でその場は治まるんだ。
◇ケース2
「なんか楽しいな。」って思うたびに、「あなたが今、考えていることがあなたそのものなんですよ。」って、ずっと昔、とある賢い本に書いてあったのを思い出す。
あっ、そうか・・・ ボクは、「なんか楽しいな。」って思ってる人間だったんだって、その時、素直に思った。
その賢い本を読んだのは大学生のころ。汚い長屋をベニヤ板で3つに仕切った一番東側の部屋だった。その空間で、ボクは毎日寝転がって過ごしてた。
三年寝太郎とは仲良くやれる気がする。だってボクは四年寝太郎だったから。しかも、それでも寝足りなかった。今思うと、あの頃が一番読書した時期だったななんて思う。
「あんたの部屋には昔、田中裕子が住んでいてね。」って、家賃を持っていくたびに、大家に聞かされた。だけど、なんか信じられなかった。決して田中裕子が珍しかったというわけではなく、どことなく、大家が胡散臭かったから。それだけ・・・
なんでか知らないけど、今日、仕事から帰って、一杯のヱビスビール(黒)を飲みながら、ふとそんなことを思い出した。
「なんか楽しいな。」っていうフレーズは、「人は死んだら星になるのかな。」というフレーズよりは少なく、だけど、「ああ、生まれ変わるならキリンがいいか
も。」っていうフレーズよりはちょっと多いペースで、ボクの頭の中を不定期によぎる。
そんな不定期が、今日またやって来た。
「なんか楽しいな。」っていう「ボクそのもの」はさりげなく暴走するから、ボクはそういう感情を、ヱビスビール(黒)のカラメルチックな甘みで抑えたりしてみる。
「なんか楽しいな。」っていう感情は、でも決して強烈なものではないから、そんな行為でその場は治まるんだ。
そんなどうでもいい空想にひたりながら、ボクは、ヱビスビール(黒)のカラメルチックな甘みを、どうするでもなく愉しんでいる。
ボクはそういう時間がけっこう好きなんだ。
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