美しすぎるぜ、ルミナリエ!

 

 

 1999年12月17日から3日間、ボクは神戸を旅した。街はクリスマスの雰囲気に包まれ、賑やかで、幻想的だった。凍るような寒さの中、たくさんの人たちが「ルミナリエ」に集まっていた。

 うわさのルミナリエをボクも見に行った。最初に感じたことは、「人間が作ったにしては、すごいじゃないか。」ということ。でも、その光の芸術の中を歩いていると、それ以上に、嬉しさや、無邪気さが込み上げてきて、その美しさに夢中になった。

 

 どこからともなく音楽がきこえた。教会音楽のような、心を洗う音楽。でもどこかもの悲しい。

 光のアーチをくぐり抜けると、目の前に巨大な光の彫刻が待ち構えていた(上の写真)。その迫力に圧倒され、しばし足を止めてしまう。「美しすぎるぜ、ルミナリエ!」そう繰り返した。

 皆、この巨大な彫刻の前で足を止め、しゃべりこんだり、写真をとったり、抱き合ったり、それぞれの時間を過ごしていた。

 

 しかし、きらびやかな景色にも次第に慣れ、ボクは隅の方でタバコに火をつけた。タバコをふかしながらぼんやりとルミナリエに目をやった。そこでふと、ルミナリエに無数の電線が張りめぐらされている事に気が付いた。そしてもう一度こんな事を思った。

 「人間が作ったにしては、すごいじゃないか。」

 

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